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内容説明
田んぼの上を通り過ぎるジャンボジェット。ラジカセから流れる「はっぴいえんど」の歌。中学一年の夏休み。須田広樹が待ちに待った夏休みは、仲の良い秀一や敬道、それに東京から転校してきた、ちょっとあか抜けた感じの従兄弟・冽史を交えてにぎやかに始まった。プールで遊んで、昨日のガンダムの話で盛り上がって、大人のリクツなんかには全然納得したくなくて…いつまでも続けばいいと思っていた。そんなある日、冽史の家の事情をきっかけに、4人はちょっとした冒険を試みることになるのだった。誰しも心のどこかに残している少年時代が色鮮やかに蘇る、ちょっとノスタルジックなストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
36
今から40年ほど昔の中学生たちのお話。この時代を知らないはずなのに、何故か不思議と懐かしさを感じる。不器用でまっすぐで、ただただ眩しい主人公たちに心を奪われた。最高!!2020/09/12
coco夏ko10角
33
1979年の中学生男子達。本家とか大人とか、そして冒険。思ってた以上に苦い青春物語だった。2016/08/31
エンリケ
30
時はガンダムの初回放送の頃。場所は僕の地元。と、のっけから親近感溢れる内容。主人公達は中学生と僕より少し年下だが、描かれている少年時代の心情には覚えが有る。大人に反発し、自分達の存在意義に疑問をもつ時代。大人の勝手な振る舞いに翻弄されるとある少年と彼の従兄弟や友人が、悩みながらもがきながら自分達だけで閉塞感を打ち破ろうと前進する。その小冒険は少年にとって残酷な結果となる。一度は打ち拉がれる彼らだが、ひと夏の体験はきっと成長の礎となるはず。大人の見栄や因習など木っ端微塵に蹴散らして彼らの道を進めば良い。2015/10/13
dareka
5
シビアだった。私が青春小説で想像したストーリーとあらかた相違なかったが、現実的だった。本家とかの家庭の事情とか、将来の不安、大人への猜疑。そういうのといっぺんに向き合う苦い感じの小説。米澤さん思い出すわ。うん。私好み。2010/06/16
途
5
知ってしまえばもう子供には戻れなくなってしまう、そんな人生で一度の出来事を見事に描いた成長物語でした。田舎特有の息苦しさや軛から一気に解放される後半のカタルシスと心理描写が素敵です。この本はもう少し評価されていいと思います2009/09/18