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内容説明
ゼニツア王国の密偵・ディーク。かたや大陸一の美貌を誇る、遊女・セシリア。二人が出会ったのは湖上に浮かぶ冷たい月の許であった。その邂逅が彼らの数奇なる運命の序章になるとも知らずに…。時はまさに戦乱。大帝国カルディアはついに北への侵攻を始め、大陸中で血と鉄と肉が軋みあうような壮絶な戦が繰り広げられていた。三国同盟を締結し、カルディアの脅威を退けようとするゼニツア、ルマイラ、ジェラルスタンであったが、それは容易ならざる一大事業であった…。運命に翻弄されながらも時代を生き抜いた人々を、壮大なスケールで描いた歴史群像スペクタクル。
著者等紹介
花田一三六[ハナダイサム]
1971年生まれ。福岡県在住。大阪の調理師学校卒業後、ホテルに入社するも1ヶ月でリタイア。小説家を目指してアルバイト生活を続ける。1994年角川書店の雑誌「ザ・スニーカー」において短編「八の弓、死鳥の矢」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
8
事実に主役はいない。歴史をひもとく時に、煌びやかになる人間が浮かぶ。 国家間同士で奔走するキャラを交互に描きながら、どちらかに注力することなく構成で惚れ惚れする。ただ価値観がぶつかることも、キャラクターに相反する魅力があるわけではないところので、どっちが好き! とかにならない。どっちも良いなぁで終わるのはちょっともったいないかなぁ そしてやはり歴史家の合の手が短すぎる。 もっとガッツリ章立てして欲しい。山登りで景色良くなかったとかエピソードは面白いから余計に思う。2021/04/24
紺
2
史実として客観的な作品を目指したせいか、全体的に淡々としている。 ただキャラクターはそれぞれ立っていて、焦点が当たったエピソードは面白い。 だがエピソードがばらけていて全体を見ると言いたい事が分かりにくい。 まあもちろん三国同盟と帝国の争いに収束するだろうことは最初から示唆されているのだが。 それにしてもシリーズをかけて少しずつ歴史を積み上げていってくれるとは、私が見たいものを一つ実現してくれた作者だ2011/08/25
sa-ki
2
三国同盟の駆け引きが面白い。盲目の策士がメインの話が読みたい。2009/04/15
いちみ
2
マクロ視点とミクロ視点と、どういう読み方をしても満足できる、おそろしく見事な構成の作品。大満足。2007/12/09
set-you
1
二巻の短篇集。それも「ジェラルスタンの策士」とその後日譚、「策士の弟子」でキャラクター小説としての魅力を見た大陸シリーズだったけど、また新しい語り口で魅せてくれた。大局とそれに揺られる個人を交互に描き、時代、世界観そのものを描き出すと言う巧みな構成を感じた。2012/12/15