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学者のウソ

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797337068
  • NDC分類 002
  • Cコード C0295

内容説明

権威ある学者や学歴エリートたちによるウソは、メディアなどによって流通し、多くの問題を起こしている。そのような詭弁や強弁を含む言説に対して、どのように向き合えばいいのだろうか?本書は、ゆとり教育や少子化問題など多くの論点を通して文系・理系の学者やメディアのウソを暴き出し、本来の学問への道すじを示すことを試みたものである。

目次

第1章 学者のウソ(住基ネット論争のウソ;ゆとり教育のウソ;ダム論争のウソ;理系学者のウソ;文系学者のウソ;ウソが生まれる背景)
第2章 本来の学問(自然科学の方法論;自然科学の困難;文系学問の困難;ポストモダンの学問)
第3章 学歴エリート社会の罠(マスコミエリートの倫理破綻;エリートによる「弱者ごっこ」論法;利己主義の暴走;既得権益としての学歴エリート;道具化する倫理)
第4章 ウソを見破る手立て(学歴エリートに騙されない方法;言論責任保証の試み;新たな技術が社会を変える)

著者等紹介

掛谷英紀[カケヤヒデキ]
1970年大阪府生まれ。1993年東京大学理学部生物化学科卒業。1998年東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士課程修了。博士(工学)号取得。通信総合研究所(現・情報通信研究機構)研究員を経て、現在筑波大学システム情報工学研究科講師。専門は映像メディア工学。技術者倫理教育にも従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

34
著者の新刊「学者の暴走」の予習として読んでみた。学者の論文捏造や研究費の不正流用などの不祥事が報じられているが、異常なケースではなく、不祥事を生じる土壌があると知者は指摘する。さらにこうした「学者のウソ」は目的と手段を混同しているからだとしている。「男女共同参画における隠れ目的は、エリート女性、さらにはエリート夫婦の利益の最大化である。(中略)男女平等の理念に反対する差別主義者であるとのレッテルを貼るのである。」とと言う指摘を見ると、著者はなんて正直な人なんだろうと思ってしまう。2021/07/23

くろほ

12
文系・理系の学者、政治家、そしてマスコミジャーナリストといった学歴エリートの使う論理を痛烈に批判した本。多くの具体例を挙げているので、この本への批判も当然多いだろうが一読の価値あり。エリートたちがいかにポジショントークしているかが良くわかる。彼らの主張を、目的と手段とに分けて議論する必要があるという言葉に共感した。あと、学問そのものを論じる話ってなんか好きだ。メタ化してみたらたいてい面白くなるよね。役に立つかどうかは別にして。2011/06/05

あらあらら

8
タイトルひかれたがどんどんずれてった2014/10/31

MAT-TUN

8
前著「学問とは何か:専門家・メディア・科学技術の倫理」に続く、掛谷先生の著作。本書でも鋭く、さまざまな学者による学問からの逸脱や、誤った言説による社会的悪影響を分析し、そんな詭弁や強弁にどう向き合えばよいか考察している。前著よりくだけた感じで議論もラフな分、読みやすく感じるかもしれない。私は山崎茂明先生の「科学者の不正行為」、「パブリッシュオアペリッシュ」などの科学者の発表倫理を深く考察された書物に興味を覚えていたが、掛谷先生が追求する学者としての倫理の探求にも非常に興味がでてきた。2013/01/12

こにいせ

8
良書。前半部の理系・文系のボケ学者への批判は正鵠を得ている。特に赤川学氏の名著「子供が減って何が悪いか?」を評価していることと、その後の学者の(特に上野千鶴子氏の)、本来その分野の学者が論理的・実証的に批評しなければならない問題提起に対して、無視や居直りしかしていない、という著者の指摘は本当にうなずくばかり。「言論責任保障」というのは一提案としてはアリだが、カネをまともに出す学者・評論家がどれだけいるのか…。実現は難しいだろう。2010/11/16

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