内容説明
畑正憲氏、誰もが知る“ムツゴロウ”さんは、資料に頼らず、じかに触れあいつづけることによって、動物の生態を知り、コミュニケーションを図りつづけてきた。言葉の通じない動物とわかりあえる畑氏に、言葉が通じるのに心を通わせられない現代の人間関係はどう映っているのか。成長とコミュニケーションの関係から「人間という動物」をよりよく知るための書。
目次
心は脳にある
天井の高さと知能
アニマル・セラピーの現実
E君との経験
動物とのふれあいの中で
胎教という誤解
胎児が感じていること
ワラビーの「ラビ」―胎児は哲学を必要としない
脳は宇宙で最も精緻な創造物である
馬の出産日を知るために〔ほか〕
著者等紹介
畑正憲[ハタマサノリ]
1935年福岡生まれ。東京大学・理学部生物学科入学、生物系大学院修了。映画制作会社を経て、本格的な著作活動に入る。「われら動物みな兄弟」で第十六回エッセイストクラブ賞を受賞。1971年、北海道浜中町に「動物王国」を建国。動物たちとの心温まる交流を描き続け、1977年には第二十五回菊池寛賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つくし
2
人間の視点を持ちながらも、人間としてではなく限りなく対象の動物に近いかたちでアプローチしているムツゴロウさんだからこそ見えてくる視点がとても興味深かったです。語られているのは動物とのふれあいの瞬間瞬間。人間としてアプローチして分析するより直感的にわかりやすくて面白い。2020/02/17
Wyoshi
2
いつものムツゴロウものかと思ったが、もっとずっとまじめで、畑氏の動物学、生理学、脳科学の知識+経験をもとにした人間行動学ともいうべき本でした。とてもおもしろかったし、ためになると思う。特にいつごろ母と子供の絆がどのような刺激でできるのか、そして社会に適応するタイミングと行動刺激などの点で、目からうろこ的なものがあります。残念なことに記述が簡素すぎるので、もっと詳細まで突っ込んだ本としてもう一度まとめてほしいと思います。2013/12/06
三崎口@ネットつないだら本格復帰します
2
思ったより動物の話ばっかりだったけど本当にこの人詳しすぎる。やっぱり人間も動物なんだなー、と思うようなことも書いてあって勉強になった2012/04/28
エゾシカ
1
味わい深い貴重な本です。2014/03/13
kmym
1
テレビではあまり見せなかった、学者としてのムツゴロウの一面が見られる。動物としての「人間」が近年弱体化しているのではないかと、一歩踏み込んだ話もあり。2013/12/16