内容説明
ここでは、あらゆる思考が物質的なリアルの上に降り立ち、そこでたっぷりと物質や生命の抵抗を受け取りながら、一種のブリコラージュを実践しようとしている。こういうやり方によらないかぎりは、浮遊していく修辞的な生活環境に抵抗していくことは不可能であろう。この本を構成する文章の多くがフォークロアに素材をあおいでいるのは見かけだけで、ほんとうはいまここの世界の現実が主題となっているのである。
目次
私の方法序説または女は存在しない
ゴジラ対GODZILLA
エデンの園の大衆文学
折口信夫のシネマ論的民俗学―『「雪祭り」しなりお』分析
折口信夫とハイパーテキスト
丸石と深沢七郎
「アフリカ的段階」をめぐって
とてつもなく古いもの
古代的マトリックス
光からの生成、光への死〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yusukesanta
5
図書館本。やはり深沢七郎の話があまりにもおもしろかった。彼の小説の文体は、ユリシーズとそっくりだと先生は書いていて、ジョイスさんはwoid(ward+void)=無の風を孕む言葉、というものにおれは名をあたえていると言ったそうな。そういう、なにもない、いっけんなにもしていないようでも大切な「無」みたいなものが結びついていく。庶民のドシガタイきづかい。なんのためにおいてあるのかよくわからないけれど、ただ、そこにあることが人間を落ちつかせてくれる丸石とか。ほとんど量子力学的な、微妙な、繊細な、おほほ。世界。2015/11/30
あけの
2
一回読んだだけじゃわからん!! しかしたぶんこういう話を目の前で語られたら堕ちる!!惚れる!!2022/10/24
ルートビッチ先輩
1
科学的と言われるような同一性、均質性を良しとする所謂西欧的な価値観を動かす論理を解除する方法を一貫して述べる本書は著者の言うとおり「構成する文章の多くがフォークロアに素材をあおいでいるのは見かけだけで、ほんとうはいまここの世界の現実が主題となっている」。ⅠではゴジラとGODZILLAの比較や折口信夫から神話や伝説といった直線的、分析的、個別的な知に反対する方法を取り上げ、それらを「古代」とした折口にならいつつⅡではチベット仏教等に取材しながら直線的歴史ではないものを記述する。2015/03/30
弥太郎岩崎。
0
この本にあるゾクチェン・赤マタ黒マタのあたり、「政治の美学・権力と表象」田中純一著 の三章「結社論」を同時に読んでみる。 2014/06/30