内容説明
本書は、よくある「新宗教カタログ」のたぐいではない。かといって「若者のオカルト・ブーム」批評とも異なる。絞切り型の若者宗教論に一石を投じるためにつくられた「豊かな時代の祈りの正体」を突き止めるためのガイド書である。彼らにとって希薄な日常からジャンプできる対象なら、何であれかまわないのだ。ひとつの選択肢として「いまどきの神サマ」の周りに集う。果てしない神サマ探しの旅。
目次
1 通過儀礼なき時代の宗教体験(実践編 オウム真理教とは何か―オウム真理教入信体験入記!;分析編 オウム真理教とは何か―かつてオウム真理教はディズニーランドであった!? ほか)
2 オカルト・ブームの深層心理(精神世界マーケット探検隊(インスタント・ハイのハシゴ体験記!;通信販売で超能力を買う人びと! ほか) ほか)
3 前世少女と終末ブーム(現場編 前世少女という異界―人類救済の戦士たちはチョコパフェがお好き!;論考編 前世少女という異界―前世夢紡ぎ・少女たちの共犯幻想! ほか)
4 90年代型の神サマ(ポストモダン宗教展望(東大出の仏陀、大川隆法の神霊ゼミナール!;教祖になったマンガ家、天使と交信するSF作家! ほか) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きじねこ
2
第一版の発行日が2000年2月5日。ほぼ20年ぶりに読みました。 introductionが『豊かな時代の祈りの正体』と銘打たれているのが、まず感慨深い。そっか、この当時のこの国は、臆面もなく無邪気に自らの生きる社会を『豊かな時代』と呼べたのか。 今の祈りは、どうなっているのだろう。2020/11/07
CCC
2
曰く「紋切り型の若者宗教論に一石を投じ……」。嘘つきいぃ。与し易い相手を狙い撃ちし、自分の認識している鋳型にはめて、その型をもって全体を論じる。俗流若者論そのものじゃないですか、やだー。見るべきところがないわけじゃない。体験記的なところもあって、そこはそこそこ面白い。けれど、どことなく表層的だった。おそらく歴史的観点が薄いからだとは思うが……。まあ、十年以上前の新興宗教、オカルト批判本に色々言っても仕方ないか。2012/10/28
DWAT
2
やっぱりなんか物足りなかったなあ この手の話題でもっと本質的な根源を知る切り口はないのかな2000/04/30