児童文学はどこまで闇を描けるか―上野瞭の場所から

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児童文学はどこまで闇を描けるか―上野瞭の場所から

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  • サイズ B6判/ページ数 274p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784796602785
  • NDC分類 909
  • Cコード C0090

内容説明

児童文学とは、「世界」の総体を〈子ども〉に向けて意識させる作品をさしている。人間的現実の総体を意欲的に描きつづける児童文学者上野瞭の作品を手がかりに、「知」の伝達と「肉」の伝達という大枠から読み解き、人間性と非人間性が支え合い反転し合う「闇」の構造を明らかにする。イメージ豊かに繰り広げる書き下し430枚。

目次

1 児童文学の「闇」(『赤ずきん』の闇;『青ひげ』の闇;宮沢賢治の『フランドン農学校の豚』の闇;スウィフトの『ガリヴァー旅行記』の闇;キャロルの『不思議の国のアリス』の闇)
2 「児童文学」への一視点(子ども時代の「三界論」から;大人から見られた三つの世界;「作者」の仕事;「謎」と「探偵」について;上野瞭の作品への基本的な視点;作風についてのいくつかのメモ)
3 上野瞭の作品論(『ちょんまげ手まり歌』;『目こぼし歌こぼし』;『日本宝島』;『ひげよ、さらば』;『さらば、おやじどの』;『砂の上のロビンソン』;『アリスの穴の中で』;『もしもし、こちらライオン』;『もしもし、こちらオオカミ』;『そいつの名前は、はっぱっぱ』)
4 私の課題の方へ―「闇」と「灯」と(「種になる」イメージをめぐって;老いと性)