内容説明
E.L.カニグズバーグ、フィリッパ・ピアス、ヴァジニア・ハミルトン。これら現代の児童文学に最も重要な位置を占める作家の中に、〈現在〉が解かねばならぬ問題―たとえば、日々を生きのびる技術、生きてあることの不思議さ、そして時代を曳く思想のあり方等―を認め、時代の感受力のありようを示す。読者待望の書き下し530枚。
目次
1 実用としての子どもの本―E・L・カニグズバーグの世界(死と再生の物語―『魔女ジェニファとわたし』;「物語」をこわす物語―『ロールパン・チームの作戦』;ドラゴンとは何?―『ドラゴンをさがせ』;帰り道の課題―『エリコの丘から』 ほか)
2 否定の果ての肯定―フィリッパ・ピアスの世界(世界の感じ方;子どもは世界とどうふれてしまうか;負のエネルギー ほか)
3 類の声を聞く―ヴァジニア・ハミルトンの世界(既成のものさしでは測れない作家;“物語”の頼ることのあやうさ;自分さがしの旅;語りべとしての道 ほか)