内容説明
今と同様に日本の行く末が見えなかった昭和１１年を軸に、「新事実」と「秘蔵写真」で綴る「２０世紀の記念碑的ノンフィクション」。半世紀以上前、愛するあまり男の局部を切断した女。“妖婦”“魔性の化身”と言われた女。彼女が実は今も同じ空の下で生きているとしたら、会ってみたくはないですか？初めて明かされる伝説の女の生涯の真実に。
目次
第１章 浅草（えんこ）
第２章 不見転（みずてん）
第３章 横恋慕（おかぼれ）
第４章 流連（いつづけ）
第５章 遁走（くもがくれ）
第６章 色情症（いんらん）
第７章 獄衣（もはんしゅう）
第８章 赤本（ばくろぼん）
第９章 星菊水（ほしきくすい）
第１０章 孤雲（ひとり）
第１１章 伝説（まぼろし）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nonpono
4
猟奇か愛憎か痴女の果てか。男に「惚れる→貢ぐ→逃げられる」を繰り返し、やっと出会った安住の地のような石田という男。あの人はわたしに余計なものは求めない。離したくない。家に帰したくない。石田を殺し局部を切り取り逃亡中、死にきれず、酒を飲みながら按摩を呼び寝落ちする定。どこかに、おかしみがある定。静かに暮らしたいが許してくれない世間、拡散していく阿部定伝説。男達が作る理想の阿部定像。最期は全てをケムに巻いたのだ、見事に。定は言う。「一生一人じゃないかしら、好きになるのは」。わたしのなかのリフレインが叫びだす。2023/07/19
逍遥遊
3
19-02-20210505 【ベストブック候補】変な恋愛ものより刺さる。愛のコリーダも再上映されているそうな。おそらく青木ケ原樹海に行ったんじゃないかな？名古屋の中京高校でも語り継がれているのかな？もう一度、映画見直してみよう。フランスのノーカット版観たいなぁ。2021/05/05
どすきん
3
「江戸っ子だってねぇ」「神田の生まれよ」。阿部定って神田の生まれだったのか。2017/04/22
yakisoba
2
比較的裕福な家でワガママに育ちプチ家出を繰り返しているうちに娼婦に落ちぶれ、出会った旦那と愛人関係になって駆け落ち同然でラブホを転々としながらセックス三昧の日々を送っているうちに、”首絞めプレイ”の快感を知り、ハメ狂ってるうちに旦那が窒息死。遺体を持ち運んではいけないのでチ●コだけ切り取って逃避行を続ける阿部定の運命やいかに…。2011/07/19
