内容説明
圧倒的にアメリカからの音楽情報にさらされている日本にいると見えないが、ヨーロッパでは、ワールド・ミュージックがますます元気だ。多くの移民が音楽にルーツをもとめ、人の交流がまた多様な音を生んでいく。マリのスター、アビブ・コワテは、ジミ・ヘンやストーンズ、ピンク・フロイドを聞いて育った。でも彼の音楽の芯はアフリカ的だ。もちろんポップな仕上がりだけれど。バスクのフェルミン・ムグルサは音楽でバスクの独立をめざしている。メッセージが詰まった彼の音楽は、ダブ、レゲエ、ヒップホップがまざったごった煮みたいだ。地中海、バルカン半島、アイルランド、トルコ、南米はキューバからブラジルまで、それぞれの社会の必然から立ちあがる音楽は力強く、やさしい。ワールド・ミュージックがもたらす健全さに共感をこめてつづる58の音楽コラム。
目次
ソンは、キューバ音楽の背骨のようなもの/キューバ
フレンチ・ポップスの、ウィスパー・ヴォイス復権/フランス
アコースティックで、ポップなアビブ・コワテ/マリ
北欧の先住民サーミの人びとの音楽、ヨイク/フィンランド
太平洋の島々から生まれる音楽/ハワイ
アイリーン・アイヴァースのソロ・フィドル/アイルランド
多民族だから、カラフルな音の花が咲き乱れる/マリ
ロサンジェルスのメキシコ人/アメリカ・メキシコ
ユッスー・ンドゥールの新しくて伝統的な方法/セネガル
ディープ・ルンバ!!/キューバ〔ほか〕
著者等紹介
北中正和[キタナカマサカズ]
1946年奈良生まれ。音楽評論家。ミュージック・ペンクラブ・ジャパン会員。雑誌、新聞、ラジオなどで世界各地の音楽を紹介している
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