内容説明
スクリーンで大活躍するバットマンやスパイダーマンだけがアメリカン・コミックスではない。ブロンディやチャーリー・ブラウンなど永遠の人気者を生んだ新聞連載マンガから、スーパーマンにはじまるスーパーヒーロー・コミックスはもちろん、スピーゲルマンの「マウス」やジェフ・スミスの「ボーン」など、新しい領域をきりひらいたオルタナティヴ・コミックスまで、アメリカのマンガ文化の全体像を描きだす。
目次
1 スーパーヒーロー・コミックス(スーパーマンの作者の死;ロイス・レーンと結婚した男;“文化装置”としてのバットマン ほか)
2 新聞連載マンガ(「ブロンディ」が日本に紹介されたのはいつか?;映画監督サミュエル・フラー、「ブロンディ」の秘密を語る;東京サミットにも来た「ドゥーンズベリー」の作者など ほか)
3 オルタナティヴ・コミックス(「バットマン」からオルタナティヴへデヴィッド・マッツーケーリ、語る;ハービー・ピーカー、「アメリカン・スプレンダー」を語る;「ザップ」第15号、そしてロバート・クラムと仲間たちの現在 ほか)
著者等紹介
小野耕世[オノコウセイ]
1939年東京に生まれる。国際基督教大学卒業。アメリカのみならず、アジアやヨーロッパのコミックスの紹介や翻訳を続け、また映画評論家、作家でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梟をめぐる読書
7
日本を代表する世界コミックの紹介者である小野耕世さんの文章やインタビューを、1970年代から2005年までの範囲で纏めたもの。要は『ウォッチメン』以前から9.11以後まで幅広い状況をカバーしているということで、その話題もスーパーヒーローコミックスから新聞連載まで多岐に渡る。80年代後半以降の主流であったヒーローコミックスの社会派路線に対して「架空のヒーローが現実の社会問題に立ち向かうことの無理」が露呈されてしまった出来事が9.11テロだったという指摘は、リアルタイム邦訳作品の純粋活劇化を見てももっとも。2013/03/13
kokada_jnet
5
2005年刊行。1974年の『バットマンになりたい』以降に書かれた、著書のアメリカン・コミックスに関する文章を集大成。新聞連載マンガについての言及はこの人ならでは。「スタン・リー神話」崩しの部分も興味深い。2012/07/31
Z
4
アメリカ漫画の歴史。日本と漫画の環境が違い、comic bookとよばれ、新聞と一緒に街頭のスタンドで売られるが、一般書籍とは違う書店で、売られる形態のよう。どのように作品が産み出されたかをたどっていて、重い書物ではなくさくさく読めた。アランレネが漫画好きでインタビュー載ってたのがびっくり。あと日本の漫画との違いであっちの方は、登場人物の目が小さめで、ボディランゲージで感情あらわす、客観的な描写が多く、日本のように登場人物が怒ったとき、劇画状になったり目が飛び出したりなどデフォルメは少ないそう。2015/07/12
Ecriture
3
19世紀末に新聞連載漫画として始まったアメコミの歴史を、新聞連載漫画、ヒーローコミックス、オルタナティブコミックスの3章で21世紀までまとめる。デイヴィッド・マッツケーリへのインタビューも載っていて、そこで言及されている、2006年に完成予定の300ページ越えのグラフィックノベルというのが、2009年に出版される『アステリオス・ポリプ』のことで、明日、2024年9月18日にその邦訳版が出版されます。2024/09/15
nizimasu
3
一般的にアメリカのマンガというといわゆるマーヴェルやDCのヒーローものとピーナッツみたいなカートゥーンに分けられると思いきやそれ以外にも様々なオルタナティブと言われる作品群があるのが後半にぞろっと紹介されていて楽しめた。元々ヒーローものの流れから読み出していたので、マーヴェルとDCのマンガの成立やスタンリーのインタビューなどもあってこの業界の栄枯盛衰みたいなものも垣間見えて実は映画化されるまでの苦境やフランクミラーのダークナイトの評価なんかも映画の文脈とは違ったり3.11でのドゥームの表現とかいやはや堪能2016/05/10