内容説明
大好評を博した、よきおじさんとして生きるための必読知的参考書『「おじさん」的思考』に続いて贈る、おじさんエッセイ第2弾。成熟した大人である「ウチダ先生」が、現代思想の知見をふまえ、「仮想女子大生」を相手に大人になるための説教十一番勝負。さらに政治家たちの疑惑の構造から外務省の不祥事まで、現代日本の「困った問題」に対しては、目からウロコの暴論奇論で一刀両断。現代思想の研究家であり、武道家であり、全身豆知識とも呼ばれる著者が、その薀蓄を傾けて熱く語る、日本社会への苦元・提言集。
目次
第1章 街場の現代思想(パートナー・デバイドの光と影;「大人になる」とはどういうことか;ひとはなぜ仕事をするのか ほか)
第2章 説教値千金(社員をバカ化する企業の終焉;覚悟も責任感も欠落した日本の官僚たち;瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず ほか)
第3章 私事で恐縮ですが(私の専門―『寝ながら学べる構造主義』刊行によせて;ほっこり日々断章;ロングインタビュー―失われたおじさん像を求めて)
著者等紹介
内田樹[ウチダタツル]
1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文学科卒。東京都立大学大学院博士課程(仏文専攻)中退。東京都立大学人文学部助手を経て、神戸女学院大学文学部教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論
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感想・レビュー
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浅香山三郎
14
久しぶりに内田さんの本を読む。とつくに文庫化されてゐる本だが、手元にあるのは単行本だ。何時買つたか記憶にない。どの議論も面白いけれども、「未来のない若者は「過去」に向かう」は、2002年から2017年の現状を予見してをり、又、「フェミニズムが歴史的使命を終えるとき」のフェミニズム批判はなかなかのもの。内田さんが『ミーツ』で思想を易しく語ることと、若手思想家たちがゲームやSNSのコミュニケーション論を転回するのと、どちらも大事だが、内田さんの獲得した読者は桁違ひで、戦略的にも大成功だつたことを実感する。2017/12/03
とくま
3
△「なぜだろう。私は主張する時、いつも怒りのパワーが必要だった。」2016/02/19
あちゃくん
3
内田さんの社会評論エッセイは小気味良い、かつ、重量感があっていいですね。"「大人になる」とはどういうことか"の章が、一番ズドンと来ました。2010/10/20
taka
2
「ははぁ、なるほどねぇ」と読める。疑問の余地もない程だなぁと本によまれそうになる。「先輩に受けた体罰や嫌なことを自分が先輩になってから後輩に行ってしまうのは自分が尊敬されたいがため」みたいな箇所があるが、そこだけ「そうかなぁ」と疑問に思う。2019/07/17
nasca
1
痛みを笑ってごまかしてはいけない。痛みは痛みとして覚えておき、二度と繰り返さないものとして記憶する。 体育会系(?)の部活の先輩話の話題。 笑ってごまかしてしまうと、大したことないように見えるし(先輩としてはこんな大変なことを今では笑っちゃえる自分どや!ってことらしいけど)、後輩にも笑って耐えなきゃいけないようなプレッシャーを与えている、と。そしてどんどん痛みはエスカレートしていく。。 痛いことは、痛いんだって伝えないと。身体の感覚に正直に。2018/07/14