石神井書林 日録

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794965080
  • NDC分類 024.8
  • Cコード C0095

出版社内容情報

11月4日(日)付朝日新聞「著者に会いたい」欄での紹介を始めとして、毎日新聞、東京新聞、読売新聞、週刊朝日等々
各誌紙で次々と絶賛、紹介をしていただいているただいま注目の古本屋さんエッセイ!
“…著者は、忘れられた小出版社の本を探し続けているという。こんな言葉がいい。「古書と親の仇は出会い頭に行き当たるもの。」文化史を底辺で支えているのは、こういう古書店の地道な努力だと思う。(中略)石神井書林は実は店舗がない。目録だけで商売をしている。毎号、評者も送ってもらっているが実に充実した目録で驚嘆する。目録であるだけでなく書誌にもなっている。詩集のほかに1920年代、30年代の東京に関する本が多く載っているのも有難い。”
(毎日新聞11月25日(日)書評欄より 川本三郎氏評)
“…本書が一般の読者に興味深く読まれるだろうと思うのは、この世で最大の古書コレクターは、古書店主にほかならないからだ。本の探し方のコツを、さりげなく教えてくれる。最大のコツは、旺盛な好奇心を持続することであり、本に金を投じる自己との闘いを、いかに闘うか、心得ることである。自由に使える金がありあまっている人の収集は、本当の収集ではない。本書が面白いのは、大方のコレクター同様、著者もまた豊かでないからである。(中略)この喧騒軽薄な現代に、詩歌の本を喜々として集め商う、著者のような古本屋がいるのだ。まだまだ日本も捨てたものではない。”(週刊文春 12月6日号 文春図書館より 出久根達郎氏評)

内容説明

東京の石神井に、近代詩専門の古本屋さんがある。店売りの本屋ではない。開業から20年、古書目録を全国に発信し、営業を続けてきた。目録に登場するのは、北園克衛、滝口修造、柳瀬正夢らの青春群像、寺山修司の『はだしの恋唄』、詩誌『詩神』『日本詩檀』などなど。昭和初めのモダニストたちが、歴史や記憶から消えていった雑誌が、ことばが蘇ってくる。読者でもなく、著者でもなく、本をあつかう古本屋さんならではの、本を雑誌を愛する気持ちや手触りが伝わってくる。個性に満ちた古本屋の日々を描いた傑作ノンフィクション。

目次

棚作り―まえがきにかえて
饅頭本という世界
一〇年の友
耽奇日録
北園克衛のいた場所へ
プライベートプレスの足跡
外骨語日記

著者等紹介

内堀弘[ウチボリヒロシ]
古書店「石神井書林」経営。1954年神戸生まれ、東京育ち。青山学院大学中退
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

56
月の輪書林・高橋徹の本を読むと、他にも印象的な古書店主が出て来る。本書の著者、石神井書林・内堀弘はその1人である。石神井書林は詩書専門の古本屋さんだそうだ。近頃、詩の本を楽しんでいる私には前のめりで読ませる内容だ。内堀さんにはあの高名な『ボン書店の幻』(ちくま文庫)という研究書があり、そちらの方に読み進めたくなる。古本屋さんの本を読むと、詩、近代史、アナキズム、文学史という、近頃私が知りたいと思っているものがうまく混ざりあっていて多幸感すら感じる。この日誌形式の古本屋本というのは読みやすくて面白い。良書。2020/12/28

はやしま

20
「ボン書店の幻」著者のエッセイ集。「古本は問屋を持たない」「流れ着く先が古本屋。”元○○”はいるけど”元古本屋”はいない。」という言葉が並ぶ。読了した今でも正直不思議な稼業というイメージは残っている。でも本書に描かれる姿からは、古書肆の方々の自分の専門分野にかける熱心さ、競りや街中の古書市で何を考えながら本の入手に一喜一憂しているのか、発行する目録にどれだけ力を注いでいるのかが見て取れる。古書に関わる人々のリアルな、人間臭い姿が浮かんでくる、古書店の棚の向こうを垣間見たような一冊だった。2017/02/11

kurupira

4
よく通る道沿いの古本屋さん、でもカタログ注文専門なので店舗に入ることもなく前から気になってました。自分のテーマを追い続けて生業にしてるのは、苦労されてるが羨ましくも感じる。コアな古本屋さんの日々の生活が窺える興味深い作品でした。 今の世は情報が溢れているようで、いろんな情報が期限切れであっさり消えていく、、長い期間で古書として残りその本に挟まれた書簡が貴重な情報源だったりと、どちらの保管方法が適切なのかな。 古本屋で購入、この本にも書簡入ってた。。本人の書き込み読むと、苦労して纏め上げた様でした。2017/08/14

はなひ堂

4
専門を持つこと、入札は想いが金額になって表れること、気になることを深堀していくこと等、どれもが中途半端な私には堪える本でしたが、これほどの著者でも市場で負けることが多いこと、人名が読めないことがあることなど、ユーモアを交えた救いもあり一気に読めました。読後、ボン書店に興味が沸き、関連書籍をアマゾンでクリックした次第です。2016/04/17

shizuka

1
古本屋店主の、古書にまみれたエッセイ。この店は詩歌専門の古本屋。先だって読んだ出久根達郎のエッセイにも負けず、出てくる本のタイトルも作者もチンプンカンプン。だけど、不思議と読んでいて飽きない。ずーっと読み続けていられる面白みがある。今度は、内堀弘の古本屋仲間、「月の輪書林」高橋徹のエッセイを読む予定。古本屋店主が案内する古書の旅は、ままだまだ続きそう。2017/01/25

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