もうひとつの手話―ろう者の豊かな世界

もうひとつの手話―ろう者の豊かな世界

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794963956
  • NDC分類 378.28
  • Cコード C0036

内容説明

日本には二つの手話がある。日本語を手で表した「日本語の手話」と、ろう者本来の言葉「ろう者の手話」だ。テレビや手話教室の「手話」のほとんどは、「日本語の手話」。「ろう者の手話」はろう学校でも禁じられてきた。なぜか?著者は、日本語とは全く異なる独自の言語「ろう者の手話」にむきあっていく。そこには、豊かな表現力で人と人とが思いを伝えあう、未知の世界がひろがっていた。異文化としてのろう者の社会を描き出し、日本語を問い直す、力作ノンフィクション。

目次

1 聴者社会のろう者たち(ことばが生まれるとき;ろうの子がほしい;手話との出会い ほか)
2 手話の歴史(手話の発見―パリ国立聾唖院;起源と伝播―アメリカへ;口話主義の広がり ほか)
3 言語としての手話(手話教室入門;言語とはなにか;日本語を取り去る ほか)
4 ろう者の新しい世界(異文化のなかで;二つの世界に生きる;あるろう学校の選択 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

85
日本語とは全く異なる言語〈ろう者の手話〉の 物語である。知らなかった手話の歴史と言語の世界を丹念に描く。 聞こえない世界で 手話がどう成長してきたのか? 人との繋がりのあり方を模索するような、そんな作品だった。2023/04/22

ひろみ

8
「日本語」をまったく知らない「手話」ネイティブ(こんな言い方が正しいのかは置いといて)の方の手話、少ない単語で同じことを伝えられるだけでなく、まるで映像を見ているかのようなスペクタクル感、空間への広がり。それってなんだか未来の言葉のようではないですか。テレパシーみたいに頭ん中にばばばーって言葉と映像と一緒に流すみたいな。手話に種類があるなんてことすら私は知らなかったのに、飛躍、すごい。けれど、これは言語だ、言語学だ。2017/02/13

tuppo

7
名著や。だいぶ泣いた。終わりや不可能や限界や苦痛。それらをつきつけられていないと想像力は死んでしまう/「は」行は一番難しかった。きちんと発音できるようになるまでものすごく時間がかかった。「ははは」という笑い方の真似をして「は」「は」「は」という行きと声の練習をする。どんな風に呼吸をしたらいいのか混乱してお腹から息を吐くのと口で吸い込むのを一緒にしてしまって息ができなくなるようで苦しかった。2017/07/22

みっふぃー

5
手話サークルのお友達から借りた本。ろう者の両親はろうの子どもが生まれたらいいと思っている。家族全員ろう者ならコミュニケーションは手話でできる。聴者の両親からろうの子どもが生まれた時、将来のことを考えたら手話の世界に入って欲しいけど、それだと両親とコミュニケーションがとれない。最初の話がみんなの手話の那須さんだったからすんなり入ってきた。2020/10/14

かながわ

4
聴覚障害でない“ろう”=ある文化。ギャローデット大学食堂の“騒がしさ”、口話教育へ“怒り”、読んで良かった。強烈帰属意識と三次元認知直結の手話詩に残響的憧れ/隔絶が滲み出る。終着駅への軌跡。2021/01/23

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