内容説明
EUの実験。インターネット。民族の誇り。文化衝突。グローバル時代のナショナリズムとは?歴史社会学の第一人者による新世紀の展望。21世紀の指標。
目次
第1章 ナショナル・アイデンティティの特異性
第2章 エスニック的基盤
第3章 ネイションの出現
第4章 ナショナリズムと文化的アイデンティティ
第5章 ネイションは意図的につくりだせるか
第6章 分離主義と多元的ナショナリズム
第7章 ナショナル・アイデンティティは超えられるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドウ
6
代表的ナショナリズム論者の1冊。エスニック・アイデンティティとナショナリズムを峻別したうえで、それぞれが歴史的にどのように現れ、現代に至っても持続しているかを世界史上の様々な事例を引き合いに出して論じる。上記峻別以外にもステイト・ネーションなど場合分けが細かい分議論が複雑で読み解ききれない(読解力のなさを反省)。第七章における、上記論点に基づく国家とネイションの混同の指摘は興味深いが、それこそが国家(およびそれを支えるエリート達)の目指すネイション=ステートそのものではないかなという疑問が残る。2019/03/28
孤独な読書人
6
ナショナリズムというものがどれだけ力強いものなのかを知ることが出来る。本書ではナショナリズムというものが近代の産物ではなく近代以前の伝統などに根ざしたものでもあることが理解出来る。2015/08/09
DIVERmope
0
ナショナリズムという難題に関する「古典」とも言える、その手の人には言わずと知れた著作。多くの日本人は、帰属意識と愛国意識の差が曖昧であり、日本人としての共通の歴史的バックボーンを持っていることが多いので、本著の理解は少し難しいかもしれない。極東アジアで、お互いの罵り合いという醜いみじめな対立が流行している現代において、本書は日本人の精神的連帯性の根っこを深く考え直すこと、そしてその根っこの不確実性さを教えてくれます。2014/01/19
たぬき
0
モデル化の難しさ2010/05/13