内容説明
街をひとつの大きな場として、その学習の場を、時に自分を見失いそうになりながら、さ迷い歩いて行くうちに、獲得した知識や知恵、それがストリートワイズだ。福田恒存との出会い。丸山真男の死で思ったこと。同じ年代・原辰徳の引退。大好きだった力道山。真夏の読書…。街を歩き、そこで発見した新しい学問のスタイルがここにある。気鋭の評論家の初めての論集。
目次
ストリートワイズ―序にかえて
一九七九年の福田恒存
『俘虜記』の「そのこと」
丸山真男か福田恒存か
原辰徳の口にした「聖域」
あいまいな日本の「戦後民主主義」
十二月八日の力道山
「本場」という他者が消える時
オウム世代の神様探し
もうパチンコ屋へなんか行かない〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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38 やはり惹かれる。坪内祐三の出発点。ストリートワイズ 街で生きる知恵、路上の賢者。「文学者の発する声」良い ●人間その劇的なるもの 福田恒存 アポカリポス論 ロレンス 山口昌男 本の神話 ●庭の離れに住む変わった叔父さん。富士正晴花田清輝長谷川四郎吉田健一植草甚一 ●リヴィストロース 悲しき熱帯 ◎山中共古 広瀬千香 山中共古ノート 思ひで雑多帳 永井荷風 斎藤昌三 古書研究家 ●ノーサイド 特集 明治大正昭和異色の父と子100組 ◎雑誌 集古 集古随筆 林若樹→月の輪書林 高橋徹 2022/10/13
tjZero
2
タイトルの”ストリートワイズ”とは、”路上の賢者”や”街で生きる知恵”(P.10)と訳される。頭でっかちではなく大衆に迎合しすぎもしない、つまり、”ある者はハシャギ、またある者は必要以上に肩に力が入った”(P.327)ような連中とは一線を画す。そんな著者の最初の評論集である本作は、”現実的な問題に対してはあまり役に立ちそうもないけれど、イザという時、例えば心がヒリヒリした時、とても強い味方になってくれる”(P.270)。2020/04/05
暇人
2
道端の賢人ということだろうか。かつて、そんな生き方をする人がいた。憧れる生き方だ。肩肘をはらずに飄々とやっていく。いつかやってみたいが、死ぬまでにできるだろうか?2017/03/30
ミスター
1
『あいまいな『戦後民主主義』について』は名文だが、基本的に都会の独身者のベンヤミン気取りという感じ。高校生の頃は坪内祐三や福田和也のような都会の文人になりたい者だと思っていたが、今は連合赤軍も真っ青の山籠りの毎日で、人生どう転ぶかわかるものではない。2019/11/29
hiratax
0
(20080318)デビュー作のよう。2008/03/19
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