台湾人と日本人―基隆中学「Fマン」事件

台湾人と日本人―基隆中学「Fマン」事件

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  • サイズ B6判/ページ数 224,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794962737
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

今から半世紀前、日本統治下にあった台湾の基隆中学で、日本人と机をならべて学んでいた台湾人生徒が特高に連行された。いったい学校で何がおこったのか。噂される秘密結社による独立運動はあったのか。いじめ。警察への密告。台湾人と日本人、先生と生徒の確執。太平洋戦争の緊張うずまく植民地で、息をひそめて生きた生意気盛りの少年たちの思いが記憶の底からあかされる。「Fマン事件」という奇妙な名で語りつがれる事件の謎を丹念に追い、歴史の波に翻弄された台湾の人びとの人生をたどる、力作書下ろしノンフィクション。

目次

1 うわさ「Fマン事件」
2 太平洋戦争はじまる
3 基隆中学五年東組
4 ぼくらは台湾人
5 殴打事件の波紋
6 「秘密結社」の少年たち
7 はるかなる台湾

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

32
昭和17年、日本統治下の台湾の中学校。日本人と共に学んでいた台湾人生徒だけが特高に連行された事件を戦後50年経って調べたノンフィクション。関係者の証言が食い違う様はミステリー小説を読んでるよう。事件の背景にある、支配する側と支配される側の心情の違いがありありと! いまでもご年配の方々の中には日本近辺の国の人々をナチュラルに格下に見る傾向があると思われるけど、そういう気持ちって悲しいかななかなか変えられないんだなと思ったよ。あの戦争は被害ばかりが語られがちだけど加害の方もちゃんと知っておかないと。2016/09/11

そ吉

2
日本統治時代の台湾における対日事件としては霧社事件が知られている。この本に書かれているFマン事件と言うのは聞いた事がなくかなりワクワクして読んだが、霧社のような殺戮が行われるような凄惨な事件では無く基隆中学の台湾人卒業生のちょっとした誤解が招いた出来事だった。 然しその誤解を招いた根本的な思想の基となるのは当時の植民地支配者たる日本人の台湾本島人に対する差別意識と過剰な恐れであったのだろう。 僕は台湾という国が好きだ、だからこそ日本と台湾の関係を単なる親日国としてだけでなく真正面で見据えたい。★★★☆☆2022/02/10

Hiroki Nishizumi

2
台湾の古称はフォルモサとのことで、Fマンすなわちフォルモサ・マンらしい。台湾の植民地政策は成功したと言われているが、植民地は植民地、差別や横暴は蔓延していたようだ。そのあたりのドキュメンタリーを生き残っている人たちから拾い上げているが、元々地味なネタのうえ構成もあまり面白くなく、少々退屈だった。2016/09/27

Ryan

0
この作者の感覚は正しい、と思う。2018/02/16

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