ナボコフのドン・キホーテ講義

ナボコフのドン・キホーテ講義

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  • サイズ B6判/ページ数 474p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784794960795
  • NDC分類 963
  • Cコード C0098

内容説明

幾百年の歳月のなか、数多くの解釈にまみれてきたドン・キホーテ。憂い顔の騎士の真の姿を見つけるべく、ナボコフは物語を解体する。永遠の古典をあざやかに読みかえる批評の精髄。要約付。

目次

1 ドン・キホーテ講義録(二つの肖像、ドン・キホーテとサンチョ・パンサ;物語のしくみについて;残酷さと瞞着について;セルバンテスと偽作者;勝利と敗北)
2 ドン・キホーテ物語と批評―ナボコフ流要約

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

37
400ページ超の後半は『ドン・キホーテ』をナボコフが要約していてクセがあり、訳者がクセがあるように露悪的に訳してもいます。前半も全体が優れているというよりも、所々読んでいて興味を引くフレーズがあります。例えば、第2回に完全な『オデュッセウス』と比較して、憂い顔のドンは単独で、キリスト教の神はそんなドンに対して終始冷淡だと論じています。第6回は戦いの勝敗を抽出したテーマ批評ですが、こちらは雑な印象を受けました。『ドン・キホーテ』に興味のある人が読むのではなく、ナボコフに興味のある人が読むべき本だと思います。2021/06/22

かふ

22
二部構成で「講義」と「批評」。講義では最初は『ドン・キホーテ』は大した物語ではないと言っていたのに読み進めるうちにセルバンテスの緻密さに感心していく。ドン・キホーテの闘いをテニス・プレイに例えた説明が面白く、最終ゲーム(5セット目)で負けたとか説明する。意外にドン・キホーテは20勝20敗のいい分なのだ。それはセルバンテスがそれだけ構成的にしっかり書いているのであって、ドン・キホーテとは別だとする。また語り手も「ドン・キホーテ」を書いたムーア人を翻訳したスペイン人という構図で、訳せない部分があるのだとか。2023/08/10

抹茶モナカ

14
ナボコフの講義用資料の書籍化。ドン・キホーテを論じた本。2部構成で、前半でドン・キホーテ論を、後半で要約をしている。わかりやすくて、ドン・キホーテを再読したような気持ちにもなれた。バッサリ酷評したりする部分もあって、驚く。良書。2014/12/27

ヴィオラ

11
ナボコフが実際行った講義の講義録、資料、覚書などを、編者が編集してまとめた一冊。 「贋作ドン・キホーテ」の作者アベリャネーダの正体がセルバンテス自身だったら…。ナボコフさんも同じことを考えていたのが分かって、なんだか嬉しいw 「後篇」のクライマックスが、ドン・キホーテVS偽ドン・キホーテの一騎打ちだったら…想像するしかないのだけど、とても楽しい。 「前篇」「後篇」の要約も収録されているので、未読の人もこれさえ読めば読んだ気分になれるかもw2016/09/25

フリウリ

10
再読ですが、恥ずかしながら「ドン・キホーテ」は、この本の後半部分の梗概でしか読んでおらず、今回もこの後半部分を主に読みたくて、図書館で借りました。「サンチョは次から次へと諺を持ち出すので、ドン・キホーテも読者もうんざりする」(p375)とか、梗概のなかにナボコフの視点が入り込み、あたかも「ドン・キホーテ」独特の入れ子構造に、入れ子構造を重ねるような遊びが、ナボコフらしいといえます。なお本書は、誤字脱字チェックが甘過ぎるのが残念。よい本なので、どこかで復刊されることを願います(ちくま学芸文庫希望)。82023/07/04

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