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内容説明
音声言語にまさるともおとらない、豊かな表現力をもつ「手話」。人間のコミュニケーションに新しい可能性をひらくこの言語を通して、ろう者の文化に光をあてる。14歳まで言葉をもたなかった少年。空間を自在に演出する少女。手話で夢みる老女…手話が禁じられた時代から今日まで、ろう者の歴史を辿りつつ、人間の脳に秘められた驚くべき潜在力を明らかにする。ろう者の「声」としての手話を考察し、言葉とは何か、人間とは何かを新しい視点で捉えなおす、優れたメディカル・エッセイ。
目次
1 ろう者の歩んできた道
2 ろう者の言語
3 幻想からの解放
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yakomini
5
普段私たちは音声言語で色々な感情や抽象的なこと等も思考しているのだけど先天的に聴覚に障害のある人がどのようにして言語を獲得したりコミュニケーションをとる方法を獲得するのかなんて考えたことなかったのでものすごく衝撃をうけた。歴史的にもそういった障害を持った人々がどんな生活を強いられていたのか知らずにいた事を恥じた。そして手話が文法を持った4次元的な言語で豊かな表現力と視覚的空間的認識力を持ったすぐれた言語であると知って認識を新たにした。偏見をなくし皆が幸せに共存できる社会を作りたいね。2012/01/03
ゆ
4
ろうの世界を垣間みた。生まれつき聴力がない子供は、手話なり口語なりを教えられないと未来のことを考えたりすることがない人になってしまうこと、聴力がなくて手話を使いこなしている人は健聴者に比べ視力が発達し、脳の聴力の部分が視力の部分に置き換わっていることなどがショッキングでもありとても興味深かった。手話というのは4次元をもつ言語であり、口語とは違う世界観を持つことに興味を持ち、少し学んでみたくなった。思考していく過程も異なるんだろうか。2015/02/25
ニッポニア
4
『第一言語として手話を学んだ場合、聴覚と発話に障害がなくとも、脳と精神がその後もずっと手話を保持し、使用し続ける』 聴覚障害であることを必要以上に意識しなくてもよい環境を作れば、それは障害でない。それが難しいのだろうけれど。2014/12/23
m
3
手話で寝言のエピソードを読んで、手話はまぎれもなく言語の一つで、発話の代替ではないと、ものすごく納得。2021/05/31
まーれ
2
とても興味深く読みました。手話が「四次元の言語」という表現は、本当にその通りだと思います。2014/12/12