内容説明
1927年から1934年のヨーロッパ。翳りゆく時代を、ベンヤミンは“陶酔”というフィルターを通して見つめようとした。この本は、薬物陶酔についてベンヤミン自身が書いたエッセイや、ブロッホをはじめとした友人たちと行った、医師監督下での薬物実験の記録などから構成されている。ベンヤミンの知られざる薬物陶酔への傾倒が明らかになるとともに、アウラ論の礎ともなった精神の彷徨を辿ることのできる、貴重な一冊。
目次
序 世俗的悟達への入門書
エッセー(ミスロヴィツ―ブラウンシュヴァイク―マルセーユ―あるハシッシ陶酔者の話;マルセーユのハシッシ)
麻薬陶酔のノート
記録(最初のハシッシ吸飲後の主症状;2度目のハシッシ吸飲後の主症状 ほか)