壊れたヨーロッパ

壊れたヨーロッパ

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  • サイズ A5判/ページ数 443p/高さ 23X17cm
  • 商品コード 9784794922991
  • NDC分類 973
  • Cコード C0097

内容説明

雪中の道標として立つロシア兵捕虜の屍。氷結した湖面からつきだす馬群の頭部。フィンランドの静寂に狂うドイツ兵。虐殺の夜にふる生ぬるい雨―。戦時特派員としてナチスとともに進軍し、戦いの傷痕を舐めつくした作家が、飢えと憎しみと絶望によって、穢され、腐ったヨーロッパを描きだす。1944年に発表され、全世界を震撼させた幻の名作。待望の邦訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

funuu

20
第一次大戦に兵士として従軍。その後ファシスト左派となり「クーデターの技術」を発表。トロッキー、ナポレオン、ヒトラー、ムッソリーニ等がいかにしてクーデターを成功させたかを分析。投獄。この本は今でも十分に危険な本であるオウムなどが真剣に読んでいたらかなり危なかった。ドイツ軍の従軍記者となり腐敗する死体の中や当時の支配階級から庶民まで鳥瞰できる。EUとして蘇えった第四帝国ドイツ。繰り返すヨーロッパの中の怪物を感じさせる。2018/04/09

ゆーいちろー

2
戦争という嵐の中で、そこだけは無風の上流階級、あるいは支配者層のサロン。その空間にちくりと毒を流し込む。まるで、デカメロンだなと思っていたら、しっかり解説で指摘されていた。作者マラパルテのイタリア軍人だからこそ許されるドイツ人に対するドイツ評は、とてもスリリング。また東部戦線の悲惨なドキュメントとしても面白い。クライマックスのナポリの民衆の混乱の中にありながらの力強い姿…どこであっても戦争という状況はやはり不幸しか生まない。作者の経歴とあわせて思うのは、イタリアの歴史の奇々怪々、複雑さである。2016/11/28

bandoujinx

1
最初手に取って読んだ際にはしょっぱなからトラウマものの残虐描写の連続で一章までしか読まなかったが『卵をめぐる祖父の戦争』のネタ元と知り再度読んでみた本。 イタリア人従軍記者による第二次世界大戦・東部戦線の地獄巡り。 陥落後のベルリンでソ連兵がヤリまくった話は有名だけどドイツ兵もヤルこと犯っていたのね。 どこかで聞いたことのある話(籠いっぱいの牡蠣に似たなにか)が載っていてこの本が元ネタだったのかと腑に落ちたり。 うんこ石鹸の話は冗談だとしても最低に品性下劣な話だけど本当に開発していたのかしら。2021/12/26

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