出版社内容情報
「リクエスト復刊」決定！ １０月下旬出来定。
R・ブローティガンのデビュー作にして代表作！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mejiro
10
この作品に流れる空気は独特で得難いと思う。最後の一文が茶目っ気があって素敵。訳と訳者あとがきも印象的だった。訳者あとがき自体がひとつの作品のようで読みごたえがある。2015/03/21
ユウキ
10
アメリカの鱒釣りは貧者を気にかける。アメリカの鱒釣りは裕福な美食家で、検死報告によればアメリカの鱒釣りの遺体は極めて良好であり、アメリカの鱒釣りの交友関係は多岐にわたる。アメリカの鱒釣りチンチクリンは車椅子に乗って職業はアル中、アメリカの鱒釣りはホテルでもありバイロン卿でもある。そしてアメリカの鱒釣りは旅人でありアメリカの鱒釣りは釣り師の頭のなかにはたしかに存在するのです。もう何度も読んでいます。赤い唇とポルトワインによる鱒死がお気に入り。きっとアメリカの鱒釣りワイノなのでしょう。2014/03/04
ふう
9
アメリカの鱒釣りふたたび。 ぼくの【アメリカの鱒釣りの表紙】には、ど真ん中にサイがいる。 そう、晶文社の本だったんだ。 幻想のアメリカ。 こんなに、クールだったんだ。 40年も過ぎてから、いい本と、ちょっとだけ思う。2019/08/08
柚杏
4
読んでいてビートニクという言葉を思い出した。捉えどころのない時に詩のような、自由な文体はアメリカ文学の時代を感じることができる。きっと学生の頃にこの本を読んでもその良さが分からなかっただろう。ずっとマヨネーズという言葉で終わる本を書きたいと思っていた。そしてマヨネーズという言葉で本を終わらせる。なんだそれ？ただ訳者も書いているが、どこからかアメリカンの鱒釣りの笑い声が聞こえてきそうで、なんとも大らかな気持ちになれる。今日もきっとどこかのクリークで。2022/02/28
まろすけ
4
評判通りの名作なのですが、すげえ！というほどではなかったです。ポストモダンぽく、幻想あり、ひとつまみの感傷がある。僕の好みどストライクなはずなんだけど、まあ、多分相性の問題。訳者あとがきが熱があって良い。☆ブローディガンの言葉は幻想的。幻想は人工的に現実を完結させない、むしろそれは現実を逆探知する回路。私たちの思想を完結させるものとしてあるよりは、完結しがちな私たちの洞察を揺さぶるもの。現実に近づけば近づくほど、彼の語り口は幻想的になる。終わりと始まりを同時にはらむ未完の現実として☆別作品も読んでみたい。2016/05/09
