晶文社クラシックス<br> 幻獣辞典

晶文社クラシックス
幻獣辞典

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  • サイズ B6判/ページ数 261,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794912657
  • NDC分類 964
  • Cコード C0398

内容説明

ケンタウロス、やまたのおろち、チェシャ猫など、東西古今の120の空想上の生き物を集めた辞典。

目次

ア・バオ・ア・クゥー
アブトゥーとアネット
両頭蛇
カフカの想像した動物
C・S・ルイスの想像した動物
ポオの想像した動物
球体の動物
六本足の羚羊
三本足の驢馬
バハムート〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マウリツィウス

33
【ボルヘスと幻獣】メタ構造の形式を象った『幻獣辞典』はかつての普遍史を刻む。創世記起源とされた存在を束ねることで神話/史実を越境化し古典翻訳資料を多量参照した《ボルヘス》は無尽蔵に台頭する《異教発生グノーシス》を明確に敵視した形跡もまた踏まえることが可能だ。つまりこの辞典類は全て《仮想現実》ではあっても《否定事実》ではないことからも類推可能であり《鏡に潜む獣》とはまさしくこの司書のことを指し示している。彼自身を原初人間とし顕現した《真実》がここに刻まれる証明論。ボルヘスとは異端異教をも喰らう《神学世界》。2013/07/22

zirou1984

30
興味のある部分だけ飛ばし読みだけど十分面白い。バハムートやカーバンクルといったどこかで聞いた幻獣や八岐大蛇の様な地方の幻獣、果ては「形而上学の二生物」なんて哲学的思考実験の産物まで、言語(と時々挿絵)によって厳重に管理された幻獣動物園の知的遊戯。見所は最後の翻訳者解説におけるボルヘスの紹介。「この書淫の怪物は常に図書館に住み、ありとあらゆる類いの書物を貪り食い、それをことごとく記憶の胃液にとかして想像力の臓腑を養い、そしてめったに忘却の排泄をしない。」幻獣たちを管理する者もまた、書物に住む幻獣だったのか。2013/07/12

マウリツィウス

18
ボルヘスの語り尽す幻獣タペストリーは汎神論世界とカバラの合一化を試みる画期的著書集成であるのは冒頭序文にて明かされる。ハムレット王子は天空に住まうカインでもあり虚像実在の不鮮明さはこの書においては否定される。隠れた名著でもあるこの辞典記録は異教の支配した旧歴史を復元していく。通俗性を廃絶するストア的論法はカフカの寓意記述を示し続け最終的においてアポクリファに記されたリリスをアダムとの異種性質を孕んだ始祖と定義する。彼の普遍主題、すなわち月とは実はこれに限らず偏在しており伝奇=砂の本=不死とは創世太陽反証。2013/05/06

SKH

10
幻想怪奇の世界の怪物・ボルヘス。200X。2013/09/04

きりぱい

9
体の前半分は獅子で、後半分は蟻て!伝説ペリカンのまさか!みたいな印象で、伝承、想像の幻獣をクラシックな引用とり混ぜておとりそえ。全編に興味が湧かなくても、映画や文学作品のずばりそのものがよぎれば、ほう!ゲームのあれはこれからきていたのかと発見しては、おお!と、少なからずひっかかる奴は出てくるはず。まあ、そんなレベルで楽しみましたが・・。ボルヘスこそ怪物という解説にうなずく。2010/02/03

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