出版社内容情報
100年後もここに集う。
吉田寮の”今”を伝える、写真によるドキュメント。
1913年竣工、現存する日本最古の学生寮、京都大学吉田寮寄宿舎。
学生自治寮として長い歴史をもち、また建築物としても価値をもつ吉田寮と、
そこに生きる寮生たちの”今”、この時をとらえ、伝え記録する。
「吉田寮の魅力について寮生に尋ねると、てんでばらばらな答えが返ってくる。
家賃が安い こと、友達ができること、規則が緩いこと、上下関係がないこと、
猫がいること、貴重な 建築であること、歴史があること、趣味に没頭できること。
きっと人の数だけ住む理由が あるのだろう」 本文より
内容説明
現存する日本最古の学生寮、京都大学吉田寮寄宿舎。その“今”を記録する、写真によるドキュメント。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らぱん
54
写真集。京大生でも寮生でもなかったけれど馴染みがあるので懐かしかった。 吉田寮は築107年。三高帝大の遺構で日本最古の現役学生寮であり、寮生自治会によって運営される自治寮なのだが、京大側から退去を求められ訴訟となり存続の危機の中にある。 存続を訴えることと記録に残すことが目的のせいかと思うのだけれど、かなり綺麗に撮られていて、それが自分の好きなでたらめ感やカオスの中の秩序感が薄いような・・・。(知らない人には充分か?) 吉田食堂と吉田寮にお世話になった。自治を貫くカタチで残って欲しいけれど・・・。2020/08/01
trazom
48
写真集。オケのボックスなどと隣り合った一帯は、カルチェ・ラタンのような独特の雰囲気だった。確かに、耐震面・衛生面・治安面などから、立退き・撤去を求める大学当局の主張に合理性はあるのだろう。しかし、「教養部」が無くなり、「立て看板」が撤去された京大において、吉田寮のこの姿だけが、かつて大学の自治を求めて、命を懸けて権力と戦った時代の思いを受け継いでいてくれるような気がする。尤も、それにしては、写真集に登場する学生たちの表情は、余りにも明るすぎるし、美しいカラー写真からは、あの饐えた匂いは伝わってこない…。2020/02/02
けんとまん1007
39
まさに、カオスと自由・自治。京大生は変人であれ!の本当の哲学がここにある。これは、他大学では考えられないことではと思う。人間を強く感じさせる1冊だ。2020/01/11
ロア
28
き、きたねぇ…(;'A`)けども、魅力的だ。責任回避とリスクヘッジ優先だけじゃ人生はつまらない。いいじゃん、ここに住み続けたって!2020/01/10
宇宙猫
26
★★★ 九龍城を思わせるスラムっぽい住居なのに、住んでるのがエリートの卵たちというカオス。吉田寮といい看板といい何かと物議を醸す京大生だけど、若者時の熱さが将来の糧になるんだろうな。2020/03/24