出版社内容情報
卓越した手腕と技術者魂により、極秘裏に進められた完成までの一部始終と、戦後日本に継承された真の業績を、製造現場から探る。
内容説明
悲劇の最期を遂げた大和、そして敗戦。だがその技術は戦後日本に継承され開花する。
目次
第8章 「大和」進水
第9章 戦時下の船舶建造計画
第10章 商船の大量建造
第11章 多量生産への第一歩
第12章 無責任な精神主義
第13章 狂気の特攻兵器製造
第14章 生産戦での敗北
著者等紹介
前間孝則[マエマタカノリ]
ノンフィクション作家。1946年生まれ。石川島播磨重工の航空宇宙事業本部技術開発事業部でジェットエンジンの設計に20余年従事。退社後、日本の近現代の産業・技術・文化史の執筆に取り組む。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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to boy
24
題名は「戦艦大和誕生」ですが、上巻ですでに完成してしまったので下巻は西島さんの終戦までの仕事を追いつつ海軍に従事した技術者達の動向が描かれています。当時の日本は性能のみを追求し生産性、調達性などを全く考慮せず、しかも戦艦を優先しタンカーなどの商船を置き去りにした政策で行き詰まっていきます。著者の前間さんはいつもながらよく調べて丁寧に記述してくれていますが、下巻はちょっと退屈(というか、題名に期待して読んでいくと期待外れ)。それにしても技術者としての西島さん、惚れてしまいました。こんな人に私もなりたい。2017/08/17
ゲオルギオ・ハーン
17
正直、下巻は蛇足感が強い。五分の一程度で大和が完成してしまうので、あとは戦術の変化に対応して対空兵装強化時の苦労話でもあるのかと思いきや西島大佐賛美として現場指揮力やらあまり説得力のない生産性改善の話が続き、著者の他の作品に比べると参考文献の情報を鵜呑みで書き連ねただけの印象が強い。開戦前は「生産力で勝てないので量より質」としながら劣勢になると「生産性を上げて物量勝負」の方針を打ち出す軍令部の支離滅裂さに唖然とする。途中で出てくる川南工業の川南社長の胡散臭さが印象的で少し興味が出て調べたくなりました。2022/04/08