ドイツは苦悩する―日本とあまりにも似通った問題点についての考察

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794213686
  • NDC分類 302.34
  • Cコード C0036

出版社内容情報

安定しているかに見えるドイツも深部で地殻変動が始まっている。それは波瀾の前兆か。ドイツ在住の作家がこの問題に答える。

内容説明

ひところドイツは福祉大国ともてはやされ、われわれの模範とすべき国とされていた。著者もいうように、メガネも保険でタダでくれるほどだった。年金も失業保険もうらやむべきものだった。ところがである。これらのものがすべてマイナスに働き始めたのである。失業保険をあてに働かない若者を生み、会社負担の社会保険料の値上がりをきらって、企業は人員削減に励み、それが失業を増大させる。そして次にくるのは税の減収である。さらに追い打ちをかけるように決定打がやってくる。東西両ドイツの統一である。国民的昂揚は瞬く間に消え、西側から東側に莫大なお金が流れたが、旧東ドイツは一向に復興しない。堅実なドイツはどこへいったのか。著者はゆらぐドイツを描くことに見事に成功した。まれにみる現代ドイツ論が誕生した。

目次

序章 アデナウアーからシュレーダーまで
第1章 黄金の福祉大国の終末―世紀の改革「アジェンダ2010」の行方
第2章 ペットボトルの森の中で
第3章 ヨーロッパ連合―理想の世界を目指して
第4章 悩み多き教育問題
第5章 「離婚」という新文化
第6章 ドイツのイスラム教徒
第7章 メディアという名のヒステリー
第8章 東西ドイツ統一の大いなる誤算

著者等紹介

川口マーン恵美[カワグチマーンエミ]
1956年大阪生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、ドイツのシュツットガルト国立音楽大学大学院に留学。82年ピアノ科を修了。同年エバーハルト・マーン氏と結婚。三女の母。90年、『フセイン、独裁下のイラクで暮らして』(草思社刊)で彗星のように登場。強烈な批評精神によって論壇に衝撃を与えた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ティス@考える豚

1
2004年発行。福祉国家の衰退、リサイクル制度への動揺、EUとして立ちはだかる壁、変化するお国柄、政治的な結婚から愛情という名の結婚へ、イスラム教徒への対応、メディアのディアスポラ、東西統一の混乱など、その当時のドイツに顕在化した問題を多岐に渡って紹介した良著。報告書なのでその解決策を提示した書物ではないが日本人がドイツの抱える問題を理解するに最適な本と言える。10年経った今から見るとイスラムの問題はドイツから世界的な問題へと移行してすっげー怖い。2015/12/30

ろーじゃ

1
福祉国家、環境先進国…といったドイツの長所とされる部分を、裏から覗いた本です。外国人労働者との関係や、離婚や出生率などの問題は、日本にとっても重要な問題であるだけに、意義深い考察がなされていました。タイトル通り、全体としてはドイツのネガティブな面に着目しているので、礼賛ばかりの本に飽きた方は是非。2012/09/26

ふじ

0
ドイツについて知りたかったので良く参考になった。2013/03/19

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