「日米関係」とは何だったのか―占領期から冷戦終結後まで

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  • サイズ B6判/ページ数 533p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794213228
  • NDC分類 319.105
  • Cコード C0031

内容説明

1945年の敗戦から占領期を経て52年に主権を回復し、その後目覚ましい経済成長を遂げた日本の現代史はまた、アメリカとの関係の歴史でもあった。詳細な史料を駆使して、主にアメリカ側の視点から冷戦終結後までの日米関係を検証したのが本書である。戦後の冷戦構造下で共産勢力が拡大する東アジアに位置する「同盟国」日本は、アメリカにとってどんな意味を持っていたのか。敗戦で疲弊し生存のための経済復興に必死の日本にとってアメリカの存在とは何だったのか。さらにそこに軍事的脅威であり巨大市場でもある中国が影響わ及ぼしていく様が生き生きと描かれる。従来の日米関係の見方を大きく変える画期的著作であり、両国間の問題を考えるうえでの最重要図書である。

目次

日米関係の変容
敵国から同盟国へ―一九四五~五〇年
朝鮮戦争と対日講和―一九五〇~五二年
日米経済協力―一九五〇~五三年
占領の残映下で―一九五二~五五年
中国と日本―一九五二~六〇年
東南アジア・ドミノと日米貿易―一九五三~六〇年
日米の政治的関係―一九五四~五八年
安全保障条約改定をめぐって―一九五七~六〇年
日米安保の危機―一九六〇年
ケネディ・ライシャワー路線―一九六一~六三年
アメリカ、日本、そしてヴェトナム戦争―一九六四~六八年
ニクソン・ショックと日米関係の変容―一九六九~七四年
変えられた国―冷戦から新世界体制へ

著者等紹介

シャラー,マイケル[シャラー,マイケル][Schaller,Michael]
歴史学者。アリゾナ大学教授

市川洋一[イチカワヨウイチ]
1925年生まれ。1947年、京都大学法学部卒。東洋レーヨンを経て東レ・エージェンシーを1985年に退職
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

41
歴史に学べば、危うからず。トランプ大統領の誕生を受け、日米関係をもう一度、学び直しています。この本は、主に1945年から74年頃までを米国側から見たもの。傍若無人ぶりが目立ったニクソン・キッシンジャーの時代が今後を占ううえで参考になりそう。朝鮮、ベトナムの両戦争で日本経済が立ち直ったという現実、ドミノ理論による日本の共産化を阻止するためのCIAの自民党への秘密援助などが赤裸々に描かれています。対中関係が対米関係を考えるうえでの隠れたファクターである点などはいまにも通じる視点ですな。良書です。2016/11/11

cronoq

5
日本が共産圏に取り込まれることを恐れ、米国の影響下に留めておく為に経済的・政治的に日本に対して繰り返される譲歩。本書から得た戦後米国政府の印象は、私にはしっくり来なかった。昭和10年代には戦争も辞さない強行路線を貫いたにも関わらず、実際に戦争で完膚なきまでに叩いた後には逆に日本政府を懐柔しようとした、そんな歴史観は、にわかには納得しがたい。原書タイトル「Altered States」の意図も汲み取れなかった。Statesと複数形になっているので、日米両国の変遷を述べていたんだと思うが。2014/02/01

takao

3
ふむ2024/02/13

ひょん吉

0
アメリカ視点の戦後の話。向こうの気持ちになれば、朝鮮戦争、ベトナム戦争で儲けたくせに、軍事費ケチりやがって、という気分になりますね。アメリカの言うことなら何でも聞く日本というイメージだったのですが、再軍備に関しては、全く言うこと聞かない日本。 それから、ニクソンに感情移入してしまい、佐藤、繊維くらい譲ってやれという気持ちになってしまったり(笑) 戦後間もなく、自主防衛のチャンスは多々与えられていたのに、この日本の腑抜けっぷり・・・ わからないことが多々ありますが、講演会前に読了出来て良かった。2017/05/15

わび

0
1970年代初頭までを中心とした戦後日米関係の通史。著者が日本の一次史料を殆ど用いていない事もあり、日本側の思惑や政治状況の記述はしっくり来ない部分もあるが、その分、アメリカが日本をどう扱って来たのかの記述は重厚である。日本を西側陣営に留めるという目標から、中国や東南アジア政策が規定されたという指摘は重要だが、日本が経済復興を達成し、アメリカの市場を侵食し始めてもなおベトナム戦争に至るコミットメントを続けたのかという点は上手く説明出来ていないような感じがする。2018/11/09

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