内容説明
2000年末の国外追放にいたる18カ月の体験をつづった前著『北朝鮮を知りすぎた医者』が大反響を巻き起こしたドイツ緊急医師団のフォラツェン医師。悲惨な境遇におかれた人々を助けることに情熱を傾けるフォラツェン医師は、北朝鮮の内情を世界に知らせるべく、ソウルを拠点に活動をつづけている。その間、傷つき病んだ脱北難民の治療のために、わが身の危険も顧みず中朝国境、バンコクへ飛び、アメリカ議会の公聴会で証言をおこなった。難民から聞いた強制収容施設の信じがたいほどの惨状、そして前著では語り尽くせなかった見聞を記し、さらに深く北朝鮮の内実に迫った勇気ある報告。
目次
第1部 北の朝鮮は殺戮の朝鮮か?(援助物資はどこへ消えるのか?;平壌―張りぼてのいなか町;北朝鮮の特権階級の生活;恐怖と絶望;北朝鮮の旅;「政治的な」活動;北朝鮮のための人生)
第2部 北朝鮮難民の救助(中国と北朝鮮の国境地帯;北朝鮮難民の運命;北朝鮮の強制収容所;太陽政策は有効か;国際社会にとって北朝鮮を開くための手段;北朝鮮の治療)
著者等紹介
フォラツェン,ノルベルト[フォラツェン,ノルベルト][Vollertsen,Norbert]
1958年、旧西独デュッセルドルフ生まれ。デュッセルドルフ大学医学部卒業。85年~87年、インド洋のモルディヴで医療活動。87年からドゥイスブルクの専門病院で精神療法による中毒カウンセラーの教育を受ける。ゲッティンゲン大学で脳解剖学の医師および講師。バーデン・バーデンの心身医学病院勤務。90年、ゲッティンゲンで開業。99年、診療所を閉鎖、同年7月、ドイツ緊急医師団“カップ・アナムーア”に加わって北朝鮮で医療活動を始める。平壌入りした直後に重度の火傷患者への皮膚移植に協力したことから「友好メダル」を授与され、比較的自由に国内を移動。2000年秋、訪朝したオルブライト米国務長官の随行記者を平壌に案内したこと、拷問された兵士の遺体を見て当局に抗議したことから同年末、国外追放となる。このとき16冊の日記と写真、ビデオを持ち出すことに成功。その日記をもとに『北朝鮮を知りすぎた医者』をまとめる
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