利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか

  • ポイントキャンペーン

利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 366p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794207999
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C0045

内容説明

日本の地獄谷温泉に棲むニホンザルの老メス「モズ」は生まれつき両手両足の先がない奇形ザルだが、仲間のサルたちは独りで生きられない彼女を助け、モズは子どもや孫に囲まれた豊かな一生を過ごしている。一方、チンパンジーに一匹だけこっそりエサの隠し場所を教えると、チンパンジーは仲間たちに巧みにうそをついて食べ物を独り占めする。人間もまた、一見エゴイストにみえて献身的だったり、お人好しのようでわがままだ。いったい、この二面性はどこから生じるのか?利己的なはずの動物に、モラルはなぜ生まれたのか?『政治をするサル』で一躍世界の注目をあびた霊長類学者が、豊富なエピソードと卓抜した分析力を駆使して道徳性の起源を探る。

目次

第1章 モラルは進化するか
第2章 他人の気持ちを知る
第3章 罪と罰と恥
第4章 目には目を
第5章 情けは人のためならず
第6章 結論サルのモラル、人間のモラル

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

marukuso

3
人間だけに道徳性があるのだろうか。抽象的な議論になりがちな問題が霊長類の行動を観察することで地に足がついた議論になっているように感じた。衝突や和解,グループ内の上下関係,そういったものがあればある程度の道徳性が発達する可能性があるのだろう。2021/12/31

shizuca

3
利己的であったり思いやりがあったりとこの不思議な生き物はどこからこんな生き方をし始めたのか気になって読んでみたけれど、なかなかに内容が難しくて読み終えるまで時間がかかりました。2021/05/04

Arte

1
人間の「道徳」はどうやってできたのかを猿研究から考える話。チンパンジーはただ狂暴という印象だったが、喧嘩したらせっせと和解し、1位のオスは仲間のいざこざを(子供の喧嘩まで)仲裁し、食べ物を分け合い、下位同士で徒党を組んでクーデターを起こしたりもするらしい。面白かったのが、食べ物を分け合う時に、お前にはやらないと拒否することもあり、あまり分かち合わないサルはあまり貰えないらしい。不公平に対する怒りと返応は基本ということね(うんうん、良く分かる)。2016/12/06

抹茶ケーキ

1
人間は「道徳心」「同情」「共感」「社会性」などが「人間的」な特性であると考えているがそれは違う。サルをはじめとする他の動物にもそのような特性は観察することができるからである。みたいな主張。あとはドーキンスの「利己的な遺伝子」論批判、道徳心や共感の発展の進化論的解釈、応報行動の話、シンガーの「動物の権利」論批判とかが面白かった。2016/10/04

Remi

1
道徳・モラルは人間だけに許された特権なのか、様々な猿の事例を取り上げて類人猿の「道徳」を紹介する。猿の持つ協力関係は、人間のもつものと何ら遜色ない。2015/10/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/377741
  • ご注意事項