庭仕事の愉しみ

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  • サイズ B6判/ページ数 322p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794207043
  • NDC分類 944
  • Cコード C0097

内容説明

庭仕事は瞑想である。草花や樹木が教えてくれる生命の秘密。文豪ヘッセが綴る「自然と人生」のすべて。ヘッセ自筆のカラー水彩画20点と写真多数挿入。

目次

庭にて
九月
幼年時代の庭
青春時代の庭
外界の内界
弟に
ボーデン湖のほとりで
花のいのち
嵐のあとの花
花々にも〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

108
ヘッセは後半生、執筆活動の時間以外は庭仕事を愉しみ、植物と触れ合っていたんですね。庭仕事を瞑想とし、植物から生命の神秘を教えてもらっていたという生活が素敵です。隠居趣味のように感じられる庭仕事ですが、心と体を健やかに穏やかに保つつだけでなく、庭と対峙しているときの喜びといったらないでしょう。要所要所の水彩画からもヘッセの自然への愛が感じられます。自分もいつか庭や植物から素晴らしい時間を受け取れるような日が来るのでしょうか。2016/10/25

優希

81
ヘッセの執筆活動以外の時間は植物と触れ合うことを楽しみにしていたのですね。植物から生命の神秘を教えてもらって生活をしていたのだと思います。隠居にも見えますが、心と体を健やかに保ち、庭と対峙する喜びがあったのではないでしょうか。自分もいつの日か、ヘッセのように庭と関われればいいですね。2019/04/26

クリママ

50
ヘルマン・ヘッセの草花、樹木、庭、庭仕事などに関する、エッセイ、詩、絵を集めたもの。三つ揃えのスーツの似合う端正な顔立ちのヘッセが、麦わら帽子をかぶって庭仕事にいそしむ写真はなんだか微笑ましい。春になってしなくてはならないことが殺到し一生懸命になる。庭仕事は初めの数日は楽しいけれどやはりつらいもので、疲れて背中を丸めて家に帰り、夜には園芸の本を読む。自分が100年前の文豪ヘッセと同じようであることがとても嬉しい。草花の名前を挙げながら庭仕事をし、庭を眺め、伐られた木を悲しむ。植物や庭への愛が溢れている。2019/06/20

yuzuriha satoshi

26
垣根越しに湖の見える庭 斜面に古いぶどう畑のある庭 そんな立派な庭はないけれど ベランダのプランターに植えた二十日大根の芽 机の上の百日草の切り花 一輪の花でも広大な思考の宇宙への扉になる あなたがその力をまだ失っていないならば……2014/10/09

chie

24
ヘッセについて、同時代の風評は「世間知らずの家庭菜園所有者」だった。しかし、ヘッセにとって庭仕事は、庭に対する敬虔な奉仕であり、神の所有物を扱うかの様な態度で庭に接している様に思えた。本書収録の「イーリス」という童話の中の一文に「地上の現象はどれも比喩なのです。」とある。ヘッセは自らそれを体現したのだと思う。ヘッセの事物への愛着は、人間からの逃避というよりも、むしろ回帰への比喩だったと思えてならない。どんなスピリチュアル本にも勝るスピリチュアルな本。2021/12/06

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