内容説明
こころという複雑系。新しい分裂病論を打ち立て、複雑系としてのこころの本態に迫るために、現象学、自己組織化、カオス理論などを参照しつつ、第三世代システム「オートポイエーシス」と「強度の精神医学」つきあわせて「システム的精神病理学」を構想する。
目次
現存在分析からシステム論へ
分裂病治療からカオス理論へ
精神のオートポイエーシス
分裂病の精神病理学とオートポイエーシス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
3
神経システムで説明する自然主義でも現実の客観性を拒んで認識からラディカル構成主義を主張するのでもない心の探求は可能か?オートポイエーシスを第三世代と位置づけ(河本英夫)、その応用を統合失調症の臨床経験から9区画に分類された圏と仮説し(花村誠一)、自明性の消失を内省する統合失調症患者に超越論的構成を見出して社会システムと病の関係を精査し(ブランケンブルク)、さらにオペレータとしての感情を情報学から論理として扱う(チオンピ)試みは、身体、神経、社会のデカップリングから精神を複雑系システムとして捉えようとする。2017/09/30
iwri
2
基本的には、オートポイエーシスに関する本である。システム論者ではないが、チオンピの感情が思考を水路付けるとする、感情論理に関する考え方はとても興味深かった。また、河本・花村両氏による、オートポイエーシスの精神医学への適用、それも花村氏のような臨床経験のある人が行う理論適用は、オートポイエーシスの経験科学への接続可能性を表しているように思う。2011/05/30
あーさー
1
詳しくはmixi