出版社内容情報
右往左往する社会のなかを、ゆうゆうと徘徊するヒラノ教授の日々の記録。
限られた友人たちとの深い交流、介護施設で出会う不思議な人たち、そして日課の徘徊……。そんな日常はあっけなく壊れてしまった。じんわりと孤独を感じながら過ごすコロナ禍のなかで去来するのは過去の想い出、そしてやり残したこと。そんなある日、想定外の大事件が発生した――。シリーズ最新作。
内容説明
右往左往する社会のなかを、ゆうゆうと徘徊するヒラノ教授の日々の記録。限られた友人たちとの深い交流、介護施設で出会う不思議な人たち、そして日課の徘徊…。そんな日常はあっけなく壊れてしまった。じんわりと孤独を感じながら過ごすコロナ禍のなかで去来するのは過去の想い出、そしてやり残したこと。そんなある日、想定外の大事件が発生した―。
目次
1 傘寿徘徊老人
2 愉快な介護予防施設
3 漫画狂のおやじ
4 映画マニアの老人
5 音楽に癒された歳月
6 七転び
7 数学特許とH2O判事
8 八人の友人
9 大いなる宿題
著者等紹介
今野浩[コンノヒロシ]
1940年生まれ。専門はORと金融工学。東京大学工学部卒業、スタンフォード大学OR学科博士課程修了。Ph.D.,工学博士。筑波大学助教授、東京工業大学教授、中央大学教授、日本OR学会会長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
59
81歳ヒラノ老人。あの、パワフルだったヒラノ先生が。感慨深く読む。奥様やお二人の息子さんはこれまでにも時々登場していたけど、亡くなった娘さんのことが初めて・・たぶん・・綴られていた。最後の「大いなる宿題」泣けます。出版されるのを楽しみにしています。どうか、お身体に気をつけて。ここで書いていて届くのかどうか分からないけど。 日本の秘境「工学部」という組織の実態、そこで働くエンジニアの生態(と愚痴)から、コロナ禍の生活まで。ヒラノ老人、徘徊中。2021/08/16
tetsubun1000mg
9
ヒラノ教授も81歳になられたか。筑波大、東工大、中央大での大学内研究者や専門分野の学会などの実態が興味深く読み続けていました。 前作の徘徊老人日記でも一人での生活の様子が綴られていましたが、今回は亡くなった方も含めて古くからの親友たちとのエピソードや業績の紹介にもページを割く。 家族のなかで特に娘さんには、苦しめたと後悔ばかりが書き込まれている。 娘さんの書いた原稿を元に1っ冊書かれるつもりらしい。ヒラノ教授最後の就活に取り掛かっておられるのでしょう。将来の参考にさせていただきます。2021/09/06
paluko
4
最初のほうは、コロナ禍で身辺に起きた変化含め共感できるところもあり、老後の過ごし方として「参考になります」という感じで読めたのだが6章「七転び」あたりから家族の確執というか今なら「モラハラ!」と言われそうなあれこれの描写が辛くなってきた。9章「大いなる宿題」では三人兄弟の真ん中で母は兄につき父は弟につき自分は孤立無援…という辛さを味わった筈の著者が三人きょうだいの真ん中の娘にまさに同じ思いをさせ、そして復讐される。しかし復讐を果たした娘は妻と同じ難病で世を去る。日本の私小説を地で行くような重さ暗さに辟易。2022/02/20
古本虫がさまよう
4
今回の本も前著同様、亡き妻のことを語ったり、友人たちとの交友を綴ったり、亡き娘との確執を回想したり…。コロナのために生活リズムが若干変わったことの苦痛なども。病気で病院に担ぎ込まれたり…。傘寿の老骨に鞭打っての日々が綴られている。本も売れないしとボヤいてもいる。 僕も20年もしないうちに順調なら傘寿。果たしてその歳まで生きているか、妻が生きているか? 生きている限りは幸せということで、著者の日々を綴った本書はいろいろと参考になる。映画がお好きなようで映画三昧の日々。僕は古本三昧といきたいところだが…。2021/08/18