内容説明
並外れた天才でない私たちでも、適切な思考の道具を携えれば難解な問題に立ち向かうことができる。数多の哲学者や思想家が編み出してきた有益な道具と有害な道具を仕分けながら、意識の迷宮を解き明かし、もっともすぐれた思考ツール「直観ポンプ」へ導く。当代随一の哲学者デネットが惜しみなく提示する思考術大全。
目次
1 序論―直観ポンプとは何か?
2 汎用的な思考道具一ダース
3 意味あるいは(心的)内容について思考する道具
4 コンピュータを論じる幕間
5 意味についてのさらなる道具
6 進化について考える道具
7 意識について考える道具
8 自由意志についての思考道具
9 哲学者であるとはどのようなことか?
10 道具を使ってもっと頑張ろう
11 扱われずに残った道具
著者等紹介
デネット,ダニエル・C.[デネット,ダニエルC.] [Dennett,Daniel C.]
1942年生まれ。ハーヴァード大学哲学科卒業、オックスフォード大学院にて博士号を取得。タフツ大学哲学教授、同認知科学研究センター所長
阿部文彦[アベフミヒコ]
1955年生まれ。哲学専攻。早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得。現在、早稲田大学・明治学院大学非常勤講師
木島泰三[キジマタイゾウ]
1969年生まれ。法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻単位取得満期退学。現在法政大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
24
たぶん、現代アメリカの最高の哲学者(の一人)であると思っている。 神や意識、精神や生命など、神秘のベールの向こうに秘蔵するか論述を超えると見做しがちなテーマを<解明>してきた哲学者。進化の思想についても、リチャード・ドーキンスと共に、生命の神秘という迷宮に逃げ込ませることを徹底して論難してきた。2018/05/22
GASHOW
7
「考え方を教えてよ。」言葉の説明でわかるくらいの人はそもそもその考え方を身に着けているのかもしれない。狩猟や製造やスポーツなど、アウトプットや成果の過程がみえるものは伝えやすいかもしれないが、純粋思考はむずかしい。それができる分野は数学なのだというし、アインシュタインの実験は思考実験だという。アインシュタインの一般相対性理論では、光の速さで動くときに目に見えるものがどうなるかとかなどは、世の中に無かった発想という点でも素晴らしい。まあ、その説明を聞いても「はあ」としか理解できないが。2020/06/02
フジ
5
いつか使えるかもしれない思考の技法。知っているだけでも。ただ検証するのは骨が折れそうです。2016/06/08
へんかんへん
3
ワールドトリガーのクローニン苦労人かと思ってたけどヘレナ・クローニンが元ネタの可能性がある国籍ぐぐるかと思ってぐぐったらクローニンさん結構いた2016/06/23
田中一郎
2
デネット2冊目。他の人の感想を見るに【デネット入門】的な本で、実際訳者後書きでもそう書いてあるが…まだ2冊目なので、私の口からはどうとも言えないです。内容は【意味】【進化】【意識】【自由意思】【デネット教授からの言葉】――こんな感じ。1冊目に読んだ「自由は進化する」よりは読みやすく感じました。2020/06/24