内容説明
カリフォルニアからはじまる物語は、父への想いを重ねあわせるように、ヒラノ青年を人生の激流へと誘っていく…。これまでほとんど書かれることのなかった、さまざまな人たちへの秘められたオマージュ。工学部ヒラノ教授シリーズ最高の感動作。
目次
第1部 カリフォルニア・サンシャイン(夢のカリフォルニア;カルチャー・ショック;博士号パラノイア;墜落;異常なメキシコ人;アメリカの日本人社会;超競争社会;来た、見た、勝った)
第2部 凍えるウィスコンシン(別世界;リッターの大失態;敗残兵;死刑台のエレベーター;悪い知らせ;不運な人;帰還;幸運な男)
著者等紹介
今野浩[コンノヒロシ]
1940年生まれ。専門はORと金融工学。東京大学工学部卒業、スタンフォード大学OR学科修了。Ph.D.工学博士。筑波大学助教授、東京工業大学教授、中央大学教授、日本OR学会会長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろくま
15
前半のアメリカでの博士取得の奮闘ぶりは苦悩と焦りが十分に文章から読み取れてきて、教育界のすさまじさを感じて十分に興奮出来ました。 後半の父への思いの変化を読みながら、自分と自分の父の事を考えてしまった。今は亡き父ももしかしたら誤解しているのではないかと、久しぶりに父を懐かしむことが出来たこの本は私の大事な本となりました。2017/03/21
つかさちゃん
3
1度目に読んだときは、著者の心情がそのまま頭に飛び込んできて、非常に寒々とした気持ちになったり、最後の父の歴史と想いと理解する場面で心うたれて、それまでのヒラノ教授の本とは全然違うなと思ったが、二回目だと単純に興味深い読み物となった。本の終幕を知っているため、その過程に対し動じずにいられたのだろうか。2015/05/20
SS
3
著者の原点が綴られている。御両親とも山形ご出身なら親近感あるし。同じく好んで読む新田次郎、藤原正彦父子に通じるものある。(奥様方ふくめて)。2014/11/22
Ted
2
'14年9月行。○自分の親父と同じ世界(アカデミズム)で生きる進路を選んでしまうと絶えず親父と比較する呪縛から一生逃れられないので随分シンドイ人生だったろうと思う。全く畑違いの道を選べばそんな葛藤に煩わされることなく我が道を行けただろうに。今で言う「教育ママ」も顔負けするほど上昇志向の強かったという“猛”母が著者の人生に負の影響を与えてしまっているように思える。2021/01/03
つかさちゃん
2
p.137のジョンの励ましで泣いた。2014/10/21