内容説明
複数の地点を最短距離で回るルートを簡単に見つけられないだろうか?私たちが日常でよく出会うこの悩み、実は「巡回セールスマン問題」と呼ばれ、100万ドルの賞金がかかる未解決問題「P対NP問題」とも関わる現代数学の超難問なのだ。科学、産業、さらにはアートにいたるまで応用可能な知の武器を生みだした奥の深い数学の世界へ、第一人者が招待する。
目次
手強い問題
問題の由来
実地のセールスマン問題
巡回路探し
線形計画法
切除平面
分枝
大規模な計算
複雑性
人間の出番
美学
限界を打ち破る
著者等紹介
クック,ウィリアム・J[クック,ウィリアムJ] [Cook,William J.]
アメリカの数学者、現在、ジョージア工科大学産業システム工学教授。巡回セールスマン問題(TSP)の第一人者として知られる
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
翻訳家。名古屋学芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若布酒まちゃひこ/びんた
5
いろいろ楽しい、自分でやってみたくなる。2015/02/27
みきっち
3
巡回セールスマン(TSP)問題とはから始まり、その複雑性、応用、美学までが論じられている。TSP問題がどのように進歩してきたかというあたりとても興味深く読んだ。人々の研究の成果が積み重なって、少しずつ時には飛躍的に進歩する。当たり前の事だけれど、それをある特定分野に限定して書かれてるので面白い。詳細な定理などは書かれていないものも多いが参照文献はきちんと言及されている。読み物としても面白かったし、本書の目的であるらしいTSP研究の裾野を広げるという意味でも非常に興味をひかれる構成・内容で良書だと思う。2013/06/08
ネクロス
3
NP問題の代表格と化した『巡回セールスマン問題』に特化した本。過去のネーミングの由来やエピソード、応用事例、現在のところのアプローチなど多岐にわたる解説があった。ただ、その分、一般よりはやや専門より。数式などもたくさんあり、「日本人に通じる『一般紹介書』」では決してない。読み込んで、読みごたえのある1冊。2013/06/08
月をみるもの
2
ヒラノ教授の恩師である、ダンツィクが偉い人であることがよくわかった。2015/05/03
Tenouji
2
巡回セールスマン問題は、まるで人間の問題そのものだな。無限とも思える膨大な組合せの可能性の中から最適解を選ぶことは可能か…だが、その前に最適を確認できるのかと。遺伝的アルゴリズムの話も出てきたりで面白かった。もう少し詳細を調べてみたい。2014/02/19