内容説明
大発見か?狂気の産物か?その写本には、まったく解読できない文字群と、地球上には存在しない植物が描かれていた。暗号解読に挑むコードブレイカーたち、写本のもつ美しさと不思議さに翻弄されるコレクターたち…。誰が、なぜ、この写本を残したのか?数世紀にわたる謎を追うBBCドキュメンタリー。
目次
醜いアヒルの子
ロジャー・ベーコンの暗号
秘術師、透視家、エジプト学者
暗号の迷宮
天界の快楽の園
聖別された意識
偽作説今昔
正体見たりシュレーディンガー
著者等紹介
ケネディ,ゲリー[ケネディ,ゲリー][Kennedy,Gerry]
作家。多くの雑誌や放送番組で活動。ヴォイニッチ写本に関するプログラム(BBCラジオ4、2001年)では構成を担当、これをもとに翌年TVドキュメンタリーが制作される
チャーチル,ロブ[チャーチル,ロブ][Churchill,Rob]
作家。英BBCや独Pro7など多くの番組で活動。2002年に制作されたBBCのTVドキュメンタリー「ヴォイニッチの謎」では監修者を務める
松田和也[マツダカズヤ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
85
いつ誰が作ったか分からない、ほとんど全ページに植物学・科学に関する挿画があり意味不明な文字の羅列という奇書『ヴォイニッチ写本』を暗号専門家を含めた何人かが読み解こうとすることを書いた本。2021/01/02
kasim
30
20世紀頭に発見された謎の中世の写本。解読できない文字、この世にない植物の絵、奇妙な女性たちの水浴図、訳の分からない装置、当時観測不可能な天体図(かもしれないもの)。作者はロジャー・ベーコン(この本ではじめて偉さを知りました)かジョン・ディーか、詐欺師まがいの錬金術師、現代のペテン師、それとも宇宙人のコンタクティー? 著名な暗号解読者からネット住人まで、振り回される人々の今も続く悲喜こもごもの努力。ウェブ上で公開されている図版を参照しながら楽しみました。2018/06/15
Koning
18
1ヤードにもなる系図に連なる著者とブール代数のブールさん、そしてこの写本を発見したヴォイニッチの奥さん。こっから調べ始めたというのが面白かったりして(w。しかし1ヤードの系図ってのも凄いな(汗。いろんな説の紹介に今までの解読(?)の軌跡とかそういうのも一応ありますが、なんというかニューボールド含めて関係者の人間模様がとても楽しい(そして現在のヴォイニッチ写本研究家の皆さんも含めて)。口絵が写本のカラー写真でこれを眺めてるだけでも楽しい。2013/03/12
tama
15
図書館本 コリン・ウィルソン「賢者の石」でヴォイニッチ・コーデクスを知り、それで。 感想でこの本の結論言えないのは難しい!一言でいうと核心の周りをぐずぐずとうろついてる。一番「おー、そーかー」と思えたのはアール・ブリュットに絡めたところ。そこだけだった。特に最後の一言は言わずもがな、かと。2014/10/15
tera
13
誰がいつどこで何のために書いたのか、内容すら不明なヴォイニッチ写本。その解読に取り組んだ歴史が書かれているが、著者本人の積極的な見解はないまま終わるためもどかしい。暗号に関する薀蓄も語られるが、結局それで読み解けませんでしたという結論で徒労感は募るばかり。ヴォイニッチ写本自体はなんとも言えない魅力があって面白いだけに惜しい。なお収蔵しているバイネッケ図書館はpdfで写本を公開している。http://brbl-dl.library.yale.edu/vufind/Record/35195972016/11/09