ゴッホの眼 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791761746
  • NDC分類 723.359
  • Cコード C0070

内容説明

聖なる円光をまとう『向日葵』、葉むらに死を孕む『糸杉』、神の言葉を『種まく人』、死の大鎌で生命を『刈入れする人』など、イコノロジー的な作品の分析や、書簡の精緻な解読によって、ゴッホの孤独で苛烈な生の内部に光をあて、“事件”の真相を解きほぐす、画期的な長篇評論。

目次

ゴッホの眼(アルルの向日葵;不在の椅子;古靴と寝室;種まく人;刈入れする人;星月夜;烏の飛ぶ麦畑)
イエスとしての自画像

著者等紹介

高階秀爾[タカシナシュウジ]
1932年東京生まれ。美術史家。前国立西洋美術館館長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒロセ

11
原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読んでからの再読。ゴッホが今でも多くの人に愛されるのは、作品の魅力と同時に、37歳という短い生涯の中で起きた、苦悩、愛憎、幸福と絶望が入り混じるその特異な生き様から目が離せないことにもあるでしょう。「ゴッホの生涯、それはだれよりも深い愛に満たされていながら、だれよりも愛に飢えていたひとつの魂の物語なのである」本編では、ゴッホの絵画と手紙からゴッホの内面性や作品に込められた思いを丁寧に読み解いていきます。共感はできなくとも、ゴッホがより身近に感じられるようになる名著。2020/04/03

Hiro

3
感心して思わず唸らされるような興味深く面白いゴッホ論だった。一度は目にしたことのある、椅子や靴といった独特の静物、また種蒔く人や星月夜や麦畑、そうしたモティーフに込められた画家の心情を主に彼の手紙を参照しながらまさに手に取るように描き出している。特筆すべきはその論の進め方で、まずテーマを示し主だった通説とその論拠を挙げ、それらを認めたりやんわりと否定したり時には強く反論したりしながら事実や証言を確認していき、最後にこれしかないという自説を提示する。さながら推理小説の名探偵の謎解きを聞くような小気味よさ。2023/12/06

佐藤一才

1
ゴッホは有名な画家だが、私は「耳を切った狂人画家」という事しか知らなかった。それでは失礼と思い、彼を知ってみようと思ったのだが、狂人というより、神経症をこじらせた老人という印象だった。正直現実にいたら、付き合いたくない部類の人間だが、不幸にもそういう正確で悩み続けたゴッホの孤独と涙が、かの名画を生み出したというなら、皮肉だがそれが良かったのかもしれない。感情の内圧が開放されるときに、芸術という形で昇華させた負の感情が素晴らしい作品になるのだが、そんな法則を思い知った。ゴッホは生涯苦しみ続けた画家だった。2013/05/07

masawo

0
ゴッホ・ゴーギャン展の予習で読了2016/09/30

がっちゃん

0
何より一途な強い思いを持ち、愛を求め続けたが結局いつもひとり相撲。兄フィンセントの身代わりから脱する為に、「フィンセント」として生きる為に、死んだとするならば…。欲しいものを手にするために、肉体の苦痛を代償とした。ゴッホの寂しさに惹きつけられる。2016/10/23

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