内容説明
現代詩の先端で、起爆力あふれる言葉を刻印しつづける詩人が、みずから移動する耳となり、幾億光年の記憶をくぐり、万象の声の響きを捕獲した詩=精霊の跳梁する言語の銀河。
目次
唖者の家へ
廃庭
月暈/不死
神を池の下に手紙をとどけに行った
薄いヴェールの丘に
花火の家の入口で
薄い音の梶棒が刺青を写す。
神の手の掻き痕にわたしも気がつく
桜/ラジオ
手紙
中国の一角獣
灰色・遺伝子・宝石
石狩シーツ
麒麟―石狩河口
「路上バンド」に逢った日に、神はドイツへ行ってしまった
紐育、午前四時三十分
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀬希瑞 世季子
1
壮大な言葉の中に偶に間抜けな言葉が混じっているみたいな温度差がいい。2022/12/11
1
CDで「石狩シーツ」を聴いたから再読。知り合いがある一時期の吉増剛造の「詩」がほとんど「エッセイ」と変わらないぐらい弛緩しきっているみたいな批判を言っていて「まあ、確かにそうだよな」と思うところもなかったが(そういうのが前景化していくのは『螺旋歌』ぐらいからか?)この詩集においても、そういう徴候的みたいなみたいなものを感じさせる反面、詩を書くことそれ自体のある種の業の深さとか、「凄み」としか言いようもないものが出ている。『花火の家の入り口で』を最高傑作に挙げる人もいるだろうな、とは思う。2022/08/25
s_i
1
現実が言葉に似るということ2013/01/01
貴羽るき
0
ぜんぜん読めた気がしない…2021/08/10