オートポイエーシスの拡張

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  • サイズ B6判/ページ数 302p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791758074
  • NDC分類 461
  • Cコード C1010

内容説明

経験のメタモルフォーゼ。最先端のシステム論「オートポイエーシス」を深化させ、その機構を改良。経験科学と接続しながら、科学論、精神医学、芸術など、知のあらゆる分野の「経験の仕方」の変更を迫る。これはもはやシステム「理論」ではなく、経験そのものを転換させる「実践=制作」である。

目次

序章 オートポイエーシスの拡張―存在の裂け目から行為の裂け目へ(オートポイエーシスの機構の変更;存在の裂け目から行為の裂け目へ)
第1章 科学的理性のアンチノミー―科学のオートポイエーシス(科学は普遍的か、普遍的でないか;科学は社会的コンテキスト依存的か、社会的コンテキストから独立か ほか)
第2章 裏返された手紙―精神のオートポイエーシス(裏返された手紙の謎;Z図式と換喩 ほか)
第3章 制作の回路―芸術のオートポイエーシス(知覚と行為の場―荒川修作;舞踊物理学―勅使川原三郎 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

3
シェリングの主張した前からやってくる「先験的過去」では、後ろに留まりデータになりうる過去はなく、因果関係は切断されて比較も判定も不能になる。「前例のない事例」では構造の組み替えと異なる形成が始まるからだ。いくつかの知の領域を巡る本書は、オートポイエーシスの応用ではなくそれ自身の拡張を試み、言語を重視したルーマンの自己言及を行為に重心移動して自動言及と読み替え、環境が先にあるアフォーダンスの設定とシステムの作動において環境と相互浸透するオートポイエーシスの設定を区別して、新たな機械論的行為存在論へと向かう。2017/09/24

ぷほは

1
APSの定義に要素と構成素の区別と位相空間の張り出しを明文化して改良し、科学・精神・芸術の諸分野への応用を試みる。科学では社会的構成や歴史主義やソーカル問題をめぐるアンチノミーを呈示し、そのAPS流の変換作業が行われる。精神ではポー『盗まれた手紙』のラカン読解との対比から精神病理の人格類型が産出される。芸術では舞踏やゴダールやゲーテの色彩論がアフォーダンス理論とAPSの区別から論じられる。河本流APSは自己言及を自動言及(オートリファレンス)と言い換え、言語の問題よりも行為の問題として考えるのが独特。2017/08/12

抹茶ケーキ

0
オートポイエーシス論の応用編。一番最初の文章で「オートポイエーシスは経験科学である」って明言してるのに、そのあとがラカンの読解とか舞踊論とか、普通の言葉の意味では経験科学ではない話題に移っていったのに驚いた。最初の章はオートポイエーシスの定義とかが導入されていて参考になった。2016/03/07

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