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内容説明
ひとは幻想なくして生きられるか。いかなるイデオロギーも、幻想に依拠せずしては成立しえない。幻想が、電脳社会の現代における主体・快楽・欲望などとどう交錯し展開するのかを、ヘーゲルとラカンを結ぶ視点から鋭利に解析する。同時に、ボスニア戦争からヒッチコック、D・リンチまでを論じ、後期資本主義のイデオロギーを多角的に照射する魅惑の思想・文化批判。
目次
1 幻想の七つのベール
2 汝の隣人を愛せ?大きなお世話だ
3 フェティシズムとその変転
4 電脳空間、あるいは存在の耐えられない閉塞
付録(崇高から滑稽へ―映画における性行為;ロベルト・シューマン―ロマン派反人間主義者;無意識の法―善の彼岸にある論理に向けて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
3
幻想というラカンのキー概念から政治・文化のイデオロギー分析とサイバースペース論ついでにカントの道徳哲学まで、という恒例のごた混ぜ。「ラカンはこう読め!」のようなテンションが好きな方は、同じネタを理論的背景からより詳しく知ることができるので、続けて読むのもアリ。イデオロギーの結節点としての機能や、超越論的観念論の主体が構成する客体などの話が興味深かった。ジジェク理論では幻想を横断し症候に同一化すべきことが説かれるのだけど、訳者あとがきによれば、「つまるところ、百年の恋を冷ますことに他ならない」のだそう。2013/05/20