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内容説明
世界恐慌とファシズムの影が忍び寄るシュルレアリズム分裂直後の30年代パリ。大衆小説から生まれて映画化され、アヴァンギャルドたちを熱狂させた変幻自在の犯罪王ファントマを草創期のラジオ放送が取り上げた。番組を作ったのは四人の芸術家。ナチを逃れ渡米途中のクルト・ワイル、旅を経て精神病院に入るアルトー、強制収容所で死ぬことになるデスノス、キューバからの亡命者カルペンチエール。マスメディアとディアスポラの世紀の本番が始まる。メディアの世紀を覆う影。
目次
主題1 ファントマとは誰か
主題2 アヴァンギャルドとマスメディア
主題3 犯行現場としてのパリ
主題4 ワイヤレスの詩学
変奏1 空飛ぶファントマ 複製技術時代の作曲家―クルト・ワイル
変奏2 笑うファントマ 映画のラジオ―アントナン・アルトー
間奏 シュルレアリスト的映画体験
変奏3 歌うファントマ フォノグラフ幻想―ロベール・デスノス
変奏4 海を渡るファントマ パリのキューバ人―アレッホ・カルペンチェール
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
newhavana
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ファントマといえば現在では1960年代の映画が最も知られているだろうが、元は20世紀初頭フランスの大ベストセラー小説。本書は著者が偶然聞いたレコード収録の歌がナチスから逃れ渡仏したクルト・ワイル作で1933年放送のファントマ・ラジオドラマ用だったことを発端に、ラジオドラマ制作に関わった当時の著名アーティストたち、さらにすでにナチスが台頭し始めた欧州における文化・風俗状況へと掘り下げてゆき、二つの大戦に挟まれた当時をポップカルチャー面を中心に彷彿とさせる試み。本文中に白黒写真多数掲載。巻末にまとめて注あり。2024/04/05
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