考えることを考える〈上〉

考えることを考える〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 472p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791756032
  • NDC分類 100
  • Cコード C1010

出版社内容情報



第三章「知識と懐疑論」は知識についての考え方を、哲学書としてはまれにみる生き生きとした文体と例を使って展開しており、現代知識論の入門として最適。

●知識とはなにか
知識科学がとらえようとする対象の範囲を明らかにするためには、生産的な研究へとつながる「知識」の定義が必要である。現代の分析哲学は、古代ギリシャ以来の難問に答えることができるのか。

 知識とは何か。どのような種類があるのか。いかに表現されるのか。いかに伝達されるのか。
 人工知能、認知科学、脳科学の成果を結集しても、こうした疑問に対する最終的な答えはまだ出ていない。知識とそれを取り巻く現象の体系的な理論はまだ存在しない。だから、単なるキーワードとして、一時のはやり言葉として、「知識」を終わらせないために、知識のあるゆる実践の分析と、そのメカニズムの体系的理解が要求されている。

内容説明

存在とはなにか。ひとつの真理を「証明」し、強制する哲学ではなく、「説明」する哲学。哲学的多元論、東洋思想をもふまえながら、「自己」「存在」「認識」「価値」という西洋の全哲学史を貫く問題に、日常的な言葉によってこたえようとする、現代哲学の金字塔。

目次

第1章 自己の同一性(通時的な人格の同一性;再帰性)
第2章 なぜ何もないのではなく、ものがあるのか?
第3章 知識と懐疑論(知識;懐疑論;証拠)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やまやま

11
勇ましい序章「読むことの不可能な一冊の書物を求める」一人であろうと評者も努力はしましたが、やはり難解な書物でした。一応、自己の同一性のところは、再帰的自己指示の能力をもつことが自己であるとすると、どのようにして私は私自身を指示していることを知るのだ、それが問題の一つである、くらいまではかじりつきましたが、なぜものがあるのか、に至っては、あらゆることをくまなく説明できないのだから存在を言葉で認識することは難しいんだろうくらいの認識です。懐疑論は、懐疑論を退治せず大事に扱えば懐疑論の退治になるという理解です。2022/08/06

roughfractus02

7
原題はPhilosophical Explanations。前著で個人の権利と最小国家を主張した政治哲学者の著者は、本書で個人に関わる自己同一性、知識、自由意志、倫理的真理の有無、人生の意味を分析哲学的に検討する。上巻は前半の2テーマを扱う。自己同一性では、記憶でなく再帰的自己指示性に通時的同一性を保つ最近接連続者なる微分的近接作用を導入して説明し、形而上学の問い「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」を検討する。さらに反実仮想から導出したトラッキング作業としての知識と証拠、仮説との関わりが議論される。2018/06/11

なつき

5
【はしプロ哲学18】『考えることを考える 上』読了。訳者のかたがたの名前を確認して序章読んだ時点でもう、なんだこの大きな著作は。と思ったが、じっさい読んでみても大きな著作であった。「証明」ではなく「説明」する哲学。ある程度の哲学の教養が必要だが、わかりはじめるとエキサイティング。2017/05/07

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