内容説明
メソポタミア、カナアン、イスラエルなど古代文明発祥の地にくり広げられた王朝の興亡を軸に、ギルガメシュ伝説、バベルの塔、洪水伝説…の隠された意味をさぐり、キリスト教をうみだすにいたる、壮大な精神のドラマを描きだす。
目次
メソポタミア(歴史地理;宗教;神話;王)
カナアン(歴史地理;宗教;神話;王)
イスラエル(旧約聖書の神話と歴史;詩篇と予言書における詩的イメージの神話;神の治世;王と救世主)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くとほん
8
ギルガメシュ等のバビロニア関係に興味があり手に取ったが、より広い範囲を学術的に解説している一冊だった。神話それ自体ではなく、神話間の影響を時代縦断的に解説しており、メソポタミアから続くモチーフがアブラハムの宗教まで残っていることが解説される。2019/12/27
じゃくお
1
宗論をするつもりはないが、ネオペイガニズムを標榜する私としてはバアル・ゼブブという呼称に憤慨せざるを得ない。特定の集団が利益を得る秩序があるならば、混沌と自由の神々を先頭にして戦いたいとも思う。忘れられた古代の神々は消滅していない。人々が再び想いを巡らしたとき、神々は大いなる力を復活させるだろう。2023/12/17
柴見 流一郎
0
学生時代にレポートを書く際に購入。古代神話とその背景にある文明などを描写した本で、かなりずっしりとした内容が満載。当時の自分では中々読み取れず苦労したものの、それなりに歴史を理解できた。とはいえまだまだ読み込みが足りないので、また読み直してみたいものです。
nata
0
メソポタミア・カナアン・イスラエルの神話と、その背景となる環境や歴史的事実の解説。図版がとても多くてよい。旧約中のいまいちピンとこない比喩や詩的表現、概念(無数にあるけど)の起源が明かされており興味深く読めた。これほどの昔にこれだけの物語があって、それが現代にも残っているというのは考えたらすごいことだ。2014/01/26
殺伐櫻
0
かなり難解で勉強不足の自分には細かい所まで理解することは叶わなかったが、キリスト教やユダヤ教の原点が古代近東にあるという認識は強まった。機会があったらギルガメッシュ神話を読みたいと思う。2012/05/14