内容説明
人類学はフィールドワークという実践のなにを継承すべきか。鳥瞰図が与える全能感を拒否し、権力が作用する場としての日常生活に注目する。虫瞰図にこだわるミクロ人類学の画期的論集。
目次
ミクロ人類学の課題
第1部 ミクロ人類学の地平(頭痛治しは蝋燭を灯して―東インドネシア・フローレス島における身体と世界;喪失の経験、境界の語り―グイ・ブッシュマンの死と邪術の言説 ほか)
第2部 語る女たちのエイジェンシー(越境する個人―北タイ山地と都市のはざまにおけるカレン女性の語り;神話と土地をめぐる地域の語りとその変化―オーストラリア・ヨルング女性と先住権原 ほか)
第3部 エイジェンシーのネットワーク(個的経験の共同性・単独性・歴史性―東インド・オリッサにおける初潮儀礼をめぐって;網子たちの実践と社会変化―スリランカ・タミル漁村の地曳網漁をめぐって ほか)
第4部 ミクロ人類学の針路(セルフの人類学に向けて―遍在する個人性の可能性;「あなたのクラン名はなんですか?」―変容するアニュワ社会における出自集団 ほか)
著者等紹介
田中雅一[タナカマサカズ]
1955年生まれ。ロンドン大学LSE(ロンドン経済政治学院)博士課程修了。PhD。京都大学人文科学研究所教授。専攻、人類誌
松田素二[マツダモトジ]
1955年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。京都大学文学研究科教員。専攻、社会人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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