内容説明
科学を特徴づけるものは何か。正統的科学哲学と新科学哲学の対決を見直し、科学の認識と実践、発見と確証、客観性と主観性、連続性と断絶等の問題を体系的に見わたす、本格的入門書。
目次
第1章 科学と哲学
第2章 自然科学の方法
第3章 反証主義
第4章 科学的説明
第5章 理論、観察、測定
第6章 仮説の形成と確証
第7章 科学理論の変遷
第8章 科学の目的
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ktytnd
3
入門(大嘘)。科学哲学の基本的な概念のみならず、数学や論理学の知識もないとまるで歯が立たないです。ポパーとクーンの批判は面白かったという小学生並の感想しか思いつかんのは自分の実力が足りなかったんだな、うん。2014/04/25
しまゆう
3
半年くらいかけて読了(いや、読砕といったほうがいいかもしれないが)。読み応えはあったのでこれから章ごとに要約をつけていこうと思う。その過程で初読本を合わせて読むことにする。難しい。科学哲学一冊目ならば、骨が折れるよりも寧ろ心が折れると思うので戸田山「科学哲学の冒険」を先に読むことをおすすめする。2013/05/27
takao
2
読み応えある教科書 2019/12/25
ぺ
2
朝永振一郎、中谷宇吉郎両氏の科学の見方の対比を切り口に科学理論の目的を公平な立ち位置から(実際はやや反実在論的)に分析している。6章の確率解釈の話は難解な概念にも関わらず例示が少なく理解が及ばなかったので別で知識を入れたい。7章の、科学の局所的探求の前提となるような理論の変遷に関するクーンの「パラダイム論」について批判的検討は読み応えがあり面白い。タイトルに"入門"とあるが、知識ゼロからだと読むことすらままならないので初学者の導入としては別の本に当たった方が良いと思う。2013/05/02
明るいくよくよ人
1
とにかく骨のある本でした。読み終わるまでに1年かかった。現代の発見・検証のプロセスのバックボーンに、帰納と確率がどのように関わっているのかが、少し理解できた。記述的にロジックを追うのが難しいし、おそらく何回かの改訂を経て、再帰的に説明されているところも多いし、これは哲学関連の人の文章に特有なことなのかもしれませんが、()による注釈が多くて、読むのが大変でしたが、もう少し勉強してから再度読んでみたいと思う本でした。2024/03/03