出版社内容情報
体は女子、脳と心は男子として生まれたシェーンの願いは、男として生きることです。3年前に男子としてロサンゼルスへ転校して充実した毎日を送っていました。ある日女子だったころの写真を一斉送信されて……。ジェンダーアイデンティティを描く青春ノベル。
内容説明
いいか、きみが女子であろうと、男子であろうと、なんならカンガルーであったって、わたしはかまわない。きみがいまのように球を投げ続けてくれさえすれば、今度の試合はまちがいなくいいところまで行ける。どうだ、わかるか?
著者等紹介
ヘネシー,M.G.[ヘネシー,M.G.] [Hennessey,M.G.]
アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス在住。作家。「トランスジェンダー・ロー・センター」、「ジェンダー・スペクトラム」、「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」などの支援活動をしている。『変化球男子』がデビュー作
杉田七重[スギタナナエ]
東京生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。小学校での教師経験ののち、翻訳家として、児童書、YA文学、一般書などフィクションを中心に幅広く活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
70
LGBT本。トランスジェンダーの話。ロサンゼルスの中学に通う少年シェーンは、野球に打ち込み親友にも恵まれ、気になる女の子とも上手く行きそうな順風満帆な生活を送っている。しかしシェーンはトランスジェンダーであることを親友にも話していなかった。▽できるだけオープンに正直に描きたかったという著者の言葉どおり、とても現実的なお話。「参考書で勉強すれば知ることはできますが、~真の意味で理解するのは難しい。」人間を知ろうとする時、物語は大きな力になる。▽読みやすくていい。2019/03/31
mntmt
23
まずは「知る」ことが大切。多くの人に届くといいな。2019/01/15
スイ
15
「やっかいなのはどっちだろう。陰でこそこそうわさをするやつらか。それとも、助言の言葉が見つからない善意の大人たちか。」 主人公はトランスジェンダーの少年。 女の子の体であることを隠して、転校先では男の子として過ごしている。 親友がいて、気になる女の子がいて、野球に打ち込んで、楽しい毎日なのだけど、まず家族間で、続いて学校で、深く傷つけられる出来事が起きてしまう…。 今、私は大人だから、フィクションであっても子どもを見る目は大人からの視線が強い(私の中の子どもの目ももちろんあるのだけど)。2020/03/08
timeturner
12
自分と違う人間に対する恐れというのは誰にでもあって、そこから差別や偏見が生まれるけれど、この本ではトランスジェンダーに関する医学的なケアについても具体的に書かれていて、そういう事実を知ることでわけのわからない恐怖は克服できるんじゃないかと思った。2018/12/20
izw
11
図書館の児童書新着コーナーで見つけ、タイトルと表紙のイラストが気に入り、トランスジェンダーを扱った作品だとは知らずに借りてきた。自分の中で否定するつもりはないが、どこかで敬遠する気持ちがあることは否めない。この作品では様々な考え方、対応をする周囲の人々が描かれているが、どの人物の中にも自分の一面が見えてしまう、そんな感じをいただきながら、読み進めた。親友のジョシュ、野球チームの仲間に支えられて、居場所が定まるという終わり方は出来すぎかもしれないが、理想的な環境のひとつとして描かれる意義はあると思えた。2019/02/24