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鈴木出版の海外児童文学 この地球を生きる子どもたち
スピリットベアにふれた島

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  • サイズ B6判/ページ数 358p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784790232346
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8397

内容説明

15歳の少年コールが引きおこした傷害事件。傷ついたすべてのもののために、コールとピーター、それぞれの両親、そして同じ地域にくらす人たちが集まって「サークル・ジャスティス」が開かれる…。犯罪とどう向きあうべきか。変わろうとするコールの姿を追いながら見つめなおす意欲作。

著者等紹介

マイケルセン,ベン[マイケルセン,ベン][Mikaelsen,Ben]
アメリカ合衆国の児童文学作家。南米、ボリビアで生まれ育つ。米国西北部、モンタナ州ボーズマン在住。研究のために捕獲され、殺されそうになったアメリカクロクマを保護し20年前からいっしょにくらす。徹底した取材にもとづく作品には定評があり、8作品で30近い受賞をするなど、各方面から高い評価を得ている

原田勝[ハラダマサル]
1957年生まれ、埼玉県在住。東京外国語大学卒業。英語圏の児童文学、とくにヤングアダルト向けの作品を中心に翻訳活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナーキー靴下

71
お気に入りの方にお薦め頂き読む。内なる怒りのせいで人を傷つけてしまったコールの、赦しと和解の物語。「自分を怖がらないやつはだれも信用しないことにしている」そんな妄念を抱えた始まりに、涙を誘う感動作かと読み始めたがそうではなかった。児童文学らしい綺麗な展開であり、希望を感じさせる終わり方とはいえ、決して「めでたしめでたし」ではない。犯罪者の更生や被害者救済について考えさせられる物語だ。訳者によるとアメリカでは多くの学校で教材として用いられているらしい。子供はもちろん大人まで幅広く読まれてよい本だと思う。2023/05/31

はる

67
酷い傷害事件をおこした15歳のコールは一年間無人島に追放されてしまう。そこで「スピリットベア」と呼ばれる伝説の白い熊と出会うが…。前半で描かれるコールの凶暴さは凄まじく、無人島の生活も壮絶で、読んでいて苦しい。だが島の生活の中で浄化され、次第に変わっていく彼の姿は読みごたえがあった。ネイティブアメリカンのスピリチュアルな世界観がこの物語の重要な要素であり、その部分もなかなか興味深い。主人公を見守る保護観察官の無骨な優しさが素敵。2018/02/27

棕櫚木庵

23
人は変わる,変わることができると私は思っている.だから,この物語 --- ひどい傷害事件を起こした少年が,北米先住民の文化に基づく「サークル・ジャスッティス」で更生し,被害者とも和解して許され救われる物語 --- は共感をもって読めるはずなのだけど,なんだか,モヤモヤした.更生の過程が行ったり来たりし,結末も,完全な更生・和解・救済に至ってメデタシメデタシではないからか.いや,紆余曲折は当然だろう.さらに,その少年自身が,抑圧的で暴力的な親に育てられ,愛情に飢えていたことも示唆されているし,→2023/06/30

進☆彡19@雰囲気重視

20
家庭の問題により歪んでしまった、少年コールの再生物語。鮮やかに描かれるアラスカの厳しい自然が心を打つ。自然の中、ひとり孤独な生活はコールを成長させ、ともに読者も成長してゆく。それほど、衝撃的な体験が綴られているのだ。異国の風習や習慣は、時に伝わりにくく異世界譚のように感じるが、学ぶことも多い。サークル・ジャスティスのような更生手段は知らなかった。世界は広い。アメリカンネイティブの伝統や習慣、考え方も興味深かった。本書は、息子が中学生の時に、読書感想文の課題図書として購入。今読んで、親として考えさせられた。2020/06/13

ヨノスケ

18
この小説を通して司法、サークルジャスティスというものを知った。事件の被害者、加害者ほか関係者全員が集って彼らの救済を考えるこの制度はアメリカ先住民の習俗に由来するそうだが、とても考えさせられた。その制度によりアラスカの孤島に追放された加害者少年はそこで徐々に変わっていく。スピリットベアとの対峙、冷たい池浴、祖先の石運び、焚火の前の動物ダンスなどアメリカ先住民の教えが多く描かれていて、私自身も神聖な気持ちになった。2023/10/21

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