内容説明
「つい最近、激しい恋に落ちた人はいませんか?」ニューヨーク州立大学の掲示板にこんなチラシが貼られた。恋に落ちる、とは生物学的にどのような現象なのだろう?恋をしている人の脳をスキャニングするとなにが見えてくるだろう?解明されていく恋の脳内メカニズム―それは、驚きの連続だった。脳内メカニズムで恋の疑問を解く。
目次
第1章 恋に落ちたらどうなるか―特別な心理状態
第2章 動物たちの恋愛―高揚、忍耐、独占欲
第3章 恋する脳をスキャンする―愛の化学作用
第4章 愛が織りなす網の目模様―性欲、恋愛感情、そして愛着
第5章 なぜ「あの人」を好きになるのか―恋人選びのルール
第6章 人はなぜ恋をするのか―恋愛の進化
第7章 失恋とはなにか―拒絶、絶望、怒り
第8章 ロマンスを長つづきさせる―恋わずらいに効く薬
第9章 それでも人は恋に落ちる―愛の勝利
著者等紹介
フィッシャー,ヘレン[フィッシャー,ヘレン][Fisher,Helen]
アメリカでもっとも著名な人類学者。アメリカ自然史博物館のリサーチ・アソシエイト、ラトガーズ大学の研究教授を歴任。専門は恋愛の進化、表現、そして化学作用。ニューヨーク市在住
大野晶子[オオノアキコ]
成城大学文芸学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Uzundk
7
恋、愛、そして性欲は個別に機能する。そして恋とは中毒とも言える状態である。野生の動物たちも選り好みをしていることから、より確実に子供を残すことに一定の効果があるからこそこのような特性が育ったのだろう。その本能は人間の中でも生きている。恋の衝動はすさまじく、失恋の衝撃もまた大きい。それらは確かに脳の中でそういう働きをしている事が確認されたことは好ましいことだ。これを読んで体験したいと思うことが恋に恋するみたいなものだろうか。2016/10/15
和草(にこぐさ)
6
古代から何故人は恋に落ちるのか?考えられてきました。何故この人ではならないのか?何故、今なのか?解っても脳をコントロールできず、恋に落ちるのですね2013/03/31
スパイク
5
なんでこんな本を読んでしまったのでしょうか。行き着くところはダーウィンかフロイトか、シェイクスピアか小野小町か。ドーパミンが分泌されてるから、どーなんだ!なにも解らない。わかっていれば、落ちることはないってことを書かれても、何故か?ってことは書かれていない。それは、わかっていたはずなのに、なんでこんな本を読んでしまったのでしょうか。後半は飛ばし読み。2014/06/28
天音春子
3
人はなせ恋に落ちるのかを脳科学と古典文学等から調べた作品。 恋をすると脳がどうなるかは少しわかった。 2014/07/23
in medio tutissimus ibis.
2
人はなぜ恋をするか。性欲に従って適当と思われる誰とでも繁殖を行うのではなく、長く続く愛着を抑え込んで短い劇場に身を焦がさねばならないのか。それは、ヒトが二足歩行の生物であるためと著者は考える。二足歩行によって種としては多くの自由を得たが、子を持つ母親としては逆にその利点の多くを失う羽目になったからだ。子供は重く、未熟であり、抱き上げて世話してやらねばならないのである。子供がそれほど手がかからなくなるまでに、たった一人でも忠実で精力的なパートナーが母親には必要だったのである。恋は恋人のみならず父親を産んだ。2019/06/30