脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち

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  • サイズ B6判/ページ数 383p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784789726306
  • NDC分類 936
  • Cコード C0097

内容説明

ポーランド陸軍騎兵隊中尉だった著者はソ連当局にスパイ容疑で逮捕され、第二次世界大戦さなかの一九四一年、シベリアの強制収容所に流された。こんな極寒の地で、このまま朽ち果てたくはない!意を決した彼は、六人の仲間と脱走を図ったものの、その前途には想像を絶する試練が待ちうけていた…。極限状況においても希望を失わず、がんばり抜いた男たちの壮絶な戦記。

目次

身の毛もよだつ尋問と拷問
「被告を二十五年の強制労働に処す」
家畜車両に詰め込まれて
四千八百キロの旅路の果てに
鎖に繋がれシベリアの原野を往く
「死の行進」は終わったけれど…
第三〇三収容所での暮らし
予期せぬ女性からの救いの手
脱走計画と六人の仲間
大河レナを渡って一路南へ〔ほか〕

著者等紹介

ラウイッツ,スラヴォミール[ラウイッツ,スラヴォミール][Rawicz,Slavomir]
1915年、ポーランドに生まれる。大学で建築学を修めたのち、ポーランド陸軍騎兵隊中尉として侵攻してくるドイツ軍と戦う。39年、ソ連軍の捕虜となり、強制労働25年の刑を受ける。41年、西シベリアの第303収容所に送られるが脱走し、1年余りかけてインドに逃れた。第2次世界大戦末期にイギリスに渡り、同国の女性と結婚。2004年、88歳で波乱に満ちた生涯を閉じた

海津正彦[カイツマサヒコ]
1945年、東京・八王子に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家。学生時代から登山に親しみ、ヒマラヤ登頂の経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ごへいもち

18
よく頑張ったなぁ。収容所の中で選んだ人選もよかったんだろう。元々はイェティから始まったとは驚き。この本の収益はポーランドの恵まれない子供に使われたとの事だけどチベットにも恩返しすべきでは?とちらっと思った2011/10/26

フーミン

15
著者と共に収容所から脱出し、辛く苦しい道のりを歩んでいるようで読み終えるまでとても苦しかった。けれど限界を超えて最後まで生きる望みを持ち続けた精神力はすごいです。戦争という醜い人間の争い、その一方で国境や人種を超えて同じ目的で結ばれた人々、またチベットの心暖まる住民の国民性は素晴らしいと思う。救出された後も精神的な打撃で苦しんだ事は脱出の過酷さを表していると思います。よく頑張った。この著書をもっとたくさんの人に知ってもらいたい。感動ものです。生き残った仲間のその後が気になります。2014/12/12

boo

10
3ヶ月に渡って読みました。きっかけは映画を見たことでした。映画を見てからかなり経ってしまいましたが、映画は本当に脱出してからのことをメインに描いていましたが、本書は前半の拷問のくだりや収容所までの道のりが詳しく書かれていたように感じました。脱出してからも大変だったんだろうけど、それ以上にシベリアの収容所に入れられるまでのことも大きなトラウマなんだろうなぁと感じました。脱出してからの話はただただすごいなぁと思います。戦争を知らない人が増えている今、戦争の裏側の実話はもっと人々に知られていいと思います!2015/07/24

フクミミ

7
この一冊では物足らないくらいの内容でした。 極寒のシベリアから灼熱のゴビ砂漠、チベット高原、ヒマラヤを超えてインドへ歩き続けた壮絶な記録。途中見ず知らずの彼らを遠来からの客人として迎えるチベットの人達の温かいホスピタリティに感動。それにしても2本の足を交互に動かせば6500キロも歩ける「大陸」の、とてつもない広さにに改めて驚く。2014/08/21

moe

7
身に憶えのないスパイの罪で25年の強制労働の刑を受けシベリアの強制労働所送りになった作者。その苛酷な取り調べと理不尽な刑だけでも心が痛むのに、その後の長く苛酷な逃走の日々に息をのみます。救いは心を一つにして共に歩む仲間と道のりで出会う心優しい人々の存在です。作者のあとがきから。「何よりも大事なことは、自由は酸素と同じように大切だと、心底から感じることであり、自由はいったん失われたら、それを取り戻すのが困難だという事実を、本書を読んで思い出していただけたならこれに勝る喜びはない。」自由の重さを噛み締めたい。2011/03/30

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