内容説明
発見者みずからが語る「奇跡の大発見」の決定的瞬間、搭乗機の製造番号を特定するまでの紆余曲折、真相究明にかけた人々の執念、サン＝テグジュペリの遺産相続人の穏やかならぬ想い…。知られざる秘話を満載して、「２０世紀最大の謎のひとつ」が解明されるまでの一部始終を描いた迫真のドキュメント。
目次
第１章 「星の王子さま」帰投せず
第２章 さまざまな情報に踊らされて
第３章 奇跡を起こしたマルセイユの漁師
第４章 必死の機体捜索にもかかわらず
第５章 ブレスレットは本物か偽物か？
第６章 相続人から送りつけられた抗議文
第７章 最初の手がかりを追え！
第８章 全世界に流れた衝撃のニュース
第９章 確認された製造番号「２７３４Ｌ」
第１０章 「墜落のシナリオ」を読み解く
著者等紹介
ヴォドワ，エルヴェ［ヴォドワ，エルヴェ］［Ｖａｕｄｏｉｔ，Ｈｅｒｖ´ｅ］
４２歳。ジャーナリスト。日刊紙ラ・プロヴァンスの特派員として、マルセイユでの「サン＝テグジュペリ事件」を取材
カステラーノ，フィリップ［カステラーノ，フィリップ］［Ｃａｓｔｅｌｌａｎｏ，Ｐｈｉｌｉｐｐｅ］
アエロルリック協会の創設者
ローザンフェルド，アレクシス［ローザンフェルド，アレクシス］［Ｒｏｓｅｎｆｅｌｄ，Ａｌｅｘｉｓ］
報道カメラマン。海中写真の専門家
香川由利子［カガワユリコ］
関西学院大学卒、京都大学大学院修士課程修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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18
サン＝テグジュペリの搭乗機を見つけるまでの紆余曲折。知られざる秘話満載のドキュメント。「彼の甥達は『星の王子さま』のように飛び立ってしまった大伯父の伝説のなか育てられた」と述べられていました。多くの探求者達には気の毒ですが、ファンにとっては、このまま真実にたどり着かなくても良いのかもと感じました。おそらく謎は海底に溶けて守られ『星の王子さま』は永遠不滅です。2022/07/23
Cinejazz
4
サン＝テグジュペリが偵察飛行中に行方不明となり、帰らぬ人となった1944年7月。それから54年後『星の王子さま』の純真無垢なイメ－ジを壊されたくない、マルセイユの漁師が海底から釣り上げた名前の刻まれたブレスレットは真偽に疑問が残る、勝手に墓穴を掘り返すような真似はやめて欲しい、と遺族相続人から拒否反応があったいうのも頷ける。フランス文化省は、マルセイユ沖から引き揚げられた飛行機の残骸をサン＝テグジュペリが搭乗していたものと確認したのは2004年で60年ぶりの帰還となったが、墜落の原因は不明のままである。2020/06/06
L&
3
第二次世界大戦中の偵察飛行に行ったまま消息を絶った『星の王子さま』の作者、サン=テグジュペリ。半世紀の間発見されず、マルセイユの海に眠っていた彼の飛行機特定までのドキュメント本である。猟師によって偶然引き上げられたサン=テグジュペリのブレスレットから始まり、飛行機を見つけて真実を知ろうとする人々と、星の王子さまさながらに消えた作家の神秘性を守ろうとする遺族との争いが印象的でした。考えさせられたのは人間の倫理観や知的探究心と、捜索中に作家の飛行機と何度もまちがえられた、海に沈む他のたくさんの飛行機のこと2015/02/14
サボテンA
0
ずっと読むことがなかった「星の王子さま」ずいぶん新訳が増えたと思ったら、著作権保護期限が切れたからだとか。そして海に消えたことまでしか知らなかったサン=テグジュペリのその後がこんなことになっていたとは。知らないことばかりで、一気読み。面白かったです。 2019/11/12
